試合レポート

済美vs三島

2014.07.16

安樂 智大(3年)率いる済美、大苦戦も夏緒戦を突破!

 安樂 智大(3年・投手・右投左打・188センチ87キロ・松山坊ちゃんボーイズ出身)擁する済美が緒戦で愛媛三島の試合巧者ぶりに苦しみながらも緒戦を突破した。

 この日の済美打線はインステップから120キロ台後半のシュート回転ストレートと、110キロ台スライダー・チェンジアップを内外角へ効果的に配する髙橋 輝(3年・投手・右投左打・176センチ63キロ・四国中央市立土居中出身)、香西 善之(3年主将・捕手・右投右打・169センチ69キロ・四国中央市立三島西中出身)バッテリー、さらに打者ごとに的確なポジショニングを取る愛媛三島の守備陣形を破れず、8回までわずか2安打。エースへの援護は遠かった。

 それでも安樂はスプリット・カーブをしっかり使いながら踏ん張る。7回裏二死二塁でのピンチでは外角低めの144キロストレートで見逃し三振。8回裏二死三塁の大ピンチでも高校通算30本塁打の4番・尾﨑 亨四郎(3年・三塁手・右投右打・182センチ70キロ・四国中央市立三島西中出身)を空振り三振で仕留めるなど、エースの矜持が彼の体を動かす。

 そして両者無得点で迎えた最終回。100球を超えた愛媛三島・髙橋の疲れをようやく済美が突く。一死から四球後、4番・安樂が一・二塁間を破ってチャンスを拡大すると、一死満塁から2失策と8番・山口 和哉(3年・右翼手兼投手・右投右打・174センチ69キロ・南あわじ市立三原中出身)の三遊間適時打、2番・福島 弘樹(2年・右投左打・169センチ59キロ・愛媛松山ボーイズ出身)の満塁走者一掃三塁打などで一挙8得点。打者13人の猛攻で試合を一気に決めた。

 結局、安樂は最速146キロと本来の調子と程遠いながら9回115球5安打2四死球7奪三振で完封。修羅場での経験値が愛媛三島の大健闘を上回る形となった。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?