第96回全国高等学校野球選手権新潟大会 展望
6月27日、新潟テルサを会場に行われた「第96回全国高等学校野球選手権新潟大会」組み合わせ抽選会。今年は88チーム・90校が参加し、7月10日~27日まで熱戦を繰り広げる。ここでは、トーナメントをベスト4決定までの4ブロックに分け、注目校を紹介しよう。
Aブロック 日本文理、中越などの強豪揃う!
飯塚 悟史(日本文理)
第1シード・日本文理の実力が抜きん出ているが、県内の強豪校が集まった激戦ブロック。昨春、県の準決勝で村上桜ヶ丘に負けて以来、県内公式戦の連勝記録を伸ばし続け、新チームになってからも県内公式戦負けなし。投打両方でプロから注目を集める飯塚 悟史(3年)は、ひと冬越えてさらに安定感を増し、名実ともにチームの大黒柱に。
その飯塚とともに屋台骨を支える左腕・小太刀 緒飛(3年)は今春県大会準決勝でノーヒットノーランを達成。投げない日は3番打者として巧みなバットコントロールでチームをけん引する。
他にも、4番でキャプテンの重責を担う池田 貴将(3年)、風格が漂う期待の核弾頭・星 兼太(2年)、中学時代から飯塚とバッテリーを組み、チームを支える扇の要・鎌倉 航(3年)、安定感のある守備力と小技の利くバッティングが魅力の黒䑓 騎士(3年)らタレントが揃っている。 昨秋の神宮大会準優勝を果たし、今春の北信越大会では3試合全て2ケタ得点で連覇した実力は本物。間違いなく全国で勝てるチームといえるだろう。
この日本文理の牙城に挑むのは、中越か。今春は新潟産大附に準々決勝で敗れたものの、総合力がある。下級生の頃から主戦として投げてきたエース・星 佳孝(3年)、2年生ながら4番に座る齋藤 颯(2年)が浮沈のカギを握る。
ほかには、昨年日本文理を苦しめた新潟第一、昨夏4強の実力校・巻、長身のエース・神田 涼を擁し、春ベスト16入りの新発田南も虎視眈々と上位進出を伺う。好投手・諸橋 慶多(2年)を擁する新潟は、1回戦に勝利すると日本文理と戦う。強力打線対2年生エースのマッチアップも見ものだ。
Bブロック 北越、新潟商が牽引!
山﨑 嘉紀 (北越)
昨秋、今春ともに準々決勝で日本文理に敗れた北越、春ベスト4の新潟商がこのブロックをけん引しそうだ。北越は昨秋の準々決勝、エース左腕で4番の山崎 嘉紀(3年)の好投で日本文理打線を最後の最後まで追い詰めたが、今年の春はコールドで敗退している。
投打の中心・山崎に加え、安定感のある橋本 幹太(3年)ら枚数がそろっている投手陣、打線も服部 智拓(3年)らレギュラー争いが熾烈な外野陣など選手層は厚い。下級生のころから試合に出場し経験豊富な木村 将大(3年)、加藤 翔(3年)の二遊間は守備範囲も広く見応えがある。チーム一丸となって打倒日本文理に燃える。
対する新潟商は元日本ハムの渡辺 浩司、元ソフトバンクの星野 順治を輩出した古豪。今春は昨秋4強の三条に延長15回引き分け再試合。翌日も、見事勝利した粘りが持ち味のチーム。2年生エース・佐藤 睦のピッチングに注目したい。
ほか、例年安定した強さで上位に食い込む新発田中央、春16強の新潟高田商、川原 諒太、松澤 寛大、赤野 直道という好打者を擁する糸魚川などがどう絡んでくるか。混戦必至の様相だ。
Cブロック 新産大付、三条など実力校多数!
小田悠平(新潟産大附)
実力的に拮抗したチームが集まったこのブロック。春4強の新潟産大附は前川 哲(3年)、7132(3年)が投打の主軸。力強いピッチングが魅力の前川は、エースで5番。普段はファーストだがチームの状況によって左腕としてマウンドに上ったり、外野を守ったり、ユーティリティーな活躍を見せる4番・小田にチームの命運がかかってくる。
対抗は、昨秋4強の三条か。今春は新潟商と引き分け再試合の末敗れたものの、エース右腕・小杉 悠太(3年)は県内屈指の好投手。進学校らしい、頭脳派の投球術でチームをけん引する。
小杉以外にも、持田 祥(3年・帝京長岡)、森山 涼(2年・加茂暁星)ら好投手を擁するチームが多い。シード校の糸魚川白嶺も部員わずか12名ながら、エース・齋藤 兆央(3年)を中心に春8強の実力を発揮する。
昨夏の準優勝校・村上桜ヶ丘もこのブロック。2回戦から登場し、対戦校は佐渡。近年新潟県の高校野球を盛り上げてきた2校がぶつかる2回戦屈指の好カードだ。
Dブロック 二季連続決勝進出の新潟明訓が一歩リード
漆原 大晟(新潟明訓)
昨秋、今春と2季連続で決勝に進み、いずれも破れている新潟明訓が中心となる。村山 賢人(3年)、漆原 大晟(3年)の2枚看板は、昨秋、今春と日本文理の強力打線を4点、3点に抑えるなど県内屈指の安定感を誇る。本多 凜太郎(3年)、勝海 光太朗(2年)、海沼 大聖(3年)、小池 那弥(3年)とつながる打線もつなぎの意識が徹底されている。投打のバランスがとれた好チームは、打倒日本文理を合い言葉にトーナメントを勝ち上がる予定だ。
頭ひとつ抜け出す新潟明訓を追うのは、まず、今春8強に入った新潟県央工が挙げられる。部長だった井口哲朗氏が監督に就任。持ち前の機動力を駆使した野球は健在。新潟明訓は苦戦しそうだ。続いて、同16強の新津と古豪・新潟工が続く。新津は打ち勝つ野球で、冬場も打撃力のアップに力を入れた。中軸の三富 史博(3年)、熊倉 正哉(3年)、近藤 陽昭(3年)の長打で一気に相手を突き放し試合の主導権を握りたい。新潟工は、機動力で走者をためて、それを中軸が長打で返す。4番の笹川大範(3年)、5番の小口直弥(3年)の打棒に期待がかかる。
16強以下にも、五泉、村上など注目校が多い。五泉には、県内屈指の好左腕・大塚 翔太(3年)がいる。ポテンシャル豊かな大塚がどれだけ実力を発揮出来るかが、課題になりそうだ。春の大会のように突如制球を乱し、大量失点してしまうと勝機はなくなる。昨秋8強の村上も好素材が多い。1番を打つ和田 知将(3年)がチャンスを作り、遠山 陽(3年)、高橋 渓斗(2年)、大滝 将平(3年)といった中軸が粘って安打を放ち得点につなげい。
主将コメント
池田 貴将主将(日本文理)
箕輪 希翔主将(北越)
■2014年 第96回新潟大会組み合わせ表(新潟県高野連HP)
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