試合レポート

北越vs村上桜ヶ丘

2014.05.04

1点を争う好ゲーム! 北越、昨春の雪辱を果たす

北越vs村上桜ヶ丘 | 高校野球ドットコム

試合シーン

 続々とベスト16が決まって行く中、[stadium]鳥屋野球場[/stadium]にはシード校・北越が登場。対戦校は昨夏の準優勝校・村上桜ヶ丘

 昨春、同じ3回戦で対戦し、延長戦の末サヨナラで村上桜ヶ丘が勝利。
そのまま春の大会を制したという経緯を持ったこの対戦。3回戦屈指の好カードは1点を争う好ゲームとなった。

 

北越先発・橋本は、初回を三者凡退、2回もヒットと味方のエラーで一死一、三塁のピンチを招くも落ち着いて後続を討ち取り、四回にも一死、一、三塁から村上桜ヶ丘6番・鈴木太の飛球を中堅手・安部から一塁手・国松の好返球で本塁タッチアウト。先取点を与えない。

 

一方、村上桜ヶ丘先発の飯野絢は、2回、一死二塁のピンチから、北越6番・佐藤に中前打を許すも、センター・本間の好返球で本塁タッチアウト。

 4回にも捕手・齋藤が2つの盗塁を封じるなど、毎回ランナーを背負う苦しいピッチングながら、味方の堅守で北越打線を0点に抑える。

 両チームともランナーは出すものの、あと一本が出ない膠着した状況の中、試合が動いたのは6回裏。一死から北越3番・服部がセカンドとライトの前に落ちる打球で二塁を陥れる。4番・国松が倒れて二死となり、続く打者は、前の打席にヒットを放っている5番・齋藤。ここで北越ベンチは、代打・西條を送る。西條は期待に応え、セカンドとライトの前に落ちるタイムリー二塁打を放ち、1点を先制する。

 6回から北越先発・橋本をリリーフした、エース・山崎は6回、7回とピンチを迎えるものの要所を締め、4回を1安打無失点。
 1対0で北越が昨春の雪辱を果たし、ベスト16入りに名乗りを上げた。


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橋本(北越)

エキサイティングプレイヤー 橋本幹太(投手)

 今大会初先発にも、緊張はなかった。
「先発は今日の朝言われました。でも緊張はしていませんでした。頭から(先発で)投げるつもりで昨日も準備していましたし、いい状態でした」
そう振り返るのは、北越の背番号10・橋本幹太

 ハイライトは2回表。
安打と送りバントで一死二塁のピンチを迎え、続く打者の内野ゴロを一塁手・国松が失策。一死一、三塁とピンチを広げてしまう。

 ここで橋本は、失策を気にする国松に一声かけ、打者と対峙(たいじ)。
7番・齋藤を落ちる球で空振り三振、8番・鈴木和にはカウント2-2から、捕手のサインに三度首を振り、最後は変化球で見逃し三振に切って取った。

 「自分はゴロを打たせて取るタイプなので、野手が守ってくれるから抑えられる。あの場面、国松がエラーしてしまったので、逆にここは自分がしっかり抑えようと思いました。最後の見逃し三振は、その前にストレートを2球続けていたので、スライダーで勝負しました」

 勝負に熱くなるのではなく、冷静に試合の展開を見極め、最善の選択でピンチを抑える。
5回を投げ、55球、3安打、無失点。特筆すべきは四死球0という安定感だろう。
北越・三本教諭も「橋本は安定感があって、試合をしっかり作れる投手。これくらいはやってくれると思いました」と太鼓判を押す。

 試合後、「まだまだ投げたい気持ちはあったのでは?」と聞くと、「いや、終盤は山崎が投げる予定でしたので。いい流れを作れればと思って投げました。今日は合格点をあげられると思います」
最後に、「夏は山崎くんの背番号1を奪うつもり?」と意地悪な質問をぶつけてみたが、「そうなるように頑張ります」とあくまで謙虚な姿勢。だが、瞳の奥に隠れた闘志は、早くも次のゲームを見据えていた。

コメント

小島監督
「序盤、打線がバタついて、接戦になってしまいました。でも選手にはとてもいい経験になったと思います。
 継投は予定通り。橋本はいいピッチングをしていたので、もう一イニングくらいは投げられたと思うけど、打線との巡り合わせもあって変えました。
 (前の打席、安打を放っている齋藤に代打・西條を送ったのは?)西條は非常に勝負強いバッター。くらいついてくれると思ったので、代打で出しました。(次は監督の古巣・糸魚川との対戦ですが?)糸魚川とはよく当たるんですよ。一戦必勝で臨みます」

山崎嘉紀(投手)
「(5回裏、二死二塁の場面で代打で登場。敬遠気味の四球。投げては6回以降4イニングを無失点)試合終盤から行くつもりでしたので、準備はしていました。
(代打の場面は?)勝負したかったですね。
(6回は二死一、二塁、7回は一死満塁のピンチを抑えました)自分の四死球でピンチを作ってしまったので。四死球は投手のミス。ピンチこそしっかり抑えないと信頼してもらえないので。橋本がいい流れを作ってくれたので、その流れに乗れました。次も頑張ります」

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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