平成26年度春季四国地区高等学校野球香川県大会展望
[pc]
[/pc]
夏シードに直結する「ベスト4」目指し「香川県の逆襲」を誓う春の闘いへ!!
昨秋県大会初優勝、四国大会でも今治西(愛媛)相手に健闘(2013年10月21日)した坂出が21世紀枠及び四国地区補欠校2位に選出されたものの、四国4県で唯一選抜出場を逃した香川県。
2011年の香川西以降は春の出場がなく、甲子園での勝利も同年夏、松本竜也(現:巨人)を擁した英明の後、4大会に渡り遠ざかっている香川県勢にとって逆襲を誓う春の県大会となる。
有木 平(坂出)
しかも香川県において春季県大会の重要度は秋季大会等を換算してのポイント制を採用している四国地区他県よりはるかに高い。ベスト4進出チームはそのまま夏の香川大会シード権を獲得。さらにこの4チームは5月17日(土)・18日(日))両日に開催される県高野連招待試合の出場権を得ることができる。
ちなみに今年の招待チームは選抜出場が決まっている龍谷大平安(京都)。ここ4年間はいずれもノーシード校が夏の香川大会を制しているとはいえ、このような全国経験を夏前に積めるのはやはり大きい。
「龍谷大平安と対戦したい」思いが、球児たちに大きなモチベーションを与えている。
昨秋ベスト8チームをシードとし、残りの32校を振り分けた今大会も激戦は必至だ。まず坂出が第1シードのゾーンが注目だろう。坂出の初戦は秋も延長の激闘を演じた土庄。「冬の手ごたえはまだイマイチ得られていない。一戦必勝で臨みたい」(田村 紘章主将)彼らが、有木平右翼手、濱田 大地三塁手を中心に昨秋同様の強打をキープしつつ、2年生左腕・鍋島巧を一本立ちさせられるかがかぎとなる。
このゾーン、もう1つの注目カードは、昨春県大会準優勝右腕の篠原 涼矢を擁する琴平と、昨秋ベスト8の丸亀城西との激突だ。特に丸亀城西は90キロ近い体重から投ずる重いストレートが武器の西川 雄大、テンポのいい投球が身上の左腕・宇野 晃大に加え、常時130キロ前半のストレートに90キロ台カープ、フォークも兼ね備える土田 侑希の成長が著しく、「三人が責任を持って抑えてくれて、あとは守備のミスが出なければ力はある」と橋野純監督もひそかに自信を深めている。
第2シード・英明は左腕二枚を擁す!
中山清治(尽誠学園)
準決勝でこれらのチームと顔を合わせる昨秋ベスト4・香川西以下のゾーンには、左投左打の2年生・高田 篤志を投打の主軸に据える藤井学園寒川や三本松。さらに昨春ベスト4の多度津や、腰痛の西丸 泰史、右足首骨折の鳥井 凌といった主砲が回復し、昨春四国大会で躍動した中山 清治、新納 豊(2年)の両右腕をサポートできる体制が整ったシード校・尽誠学園など強豪がひしめく。香川西も持ち前の粘り強さに加え、183センチ88キロと超高校級の体格を作り上げた香川 祥大や昨秋県大会2アーチの呉屋 蓮右翼手など今季はタレントにも一定の力を持つだけに、ベスト4の行方は全く読めない。
一方、昨秋は四国大会初勝利をマークし上位進出への自信を深めた第2シード・英明は、赤川大和と中西幸汰(新2年)のMAX135キロ越え左腕二枚を擁する。打っても走・攻・守いずれも高いレベルを保つ四国屈指の右打者・松井 大樹中堅手、長打力を備える松浦 仁三塁手を中心に3年ぶり甲子園への足がかりを築きたいところ。ただ、このゾーンには大型スラッガー・末包昇大をはじめ、攻撃力が高いシード校・高松商や夏に向けて例年、好チームに仕上げてくる香川飯山、観音寺第一や観音寺中央。そしてプロ注目の最速147キロ左腕・塹江敦哉がいる高松北も控える。「夏のためにもまずは春にベスト4以上を目指したい」と、昨秋初戦敗退からのリベンジを誓う豪腕の出来次第では、勢力図も一変しそうだ。
昨秋3位で出場した四国大会では英明と同様に1勝。エース・髙畑 遼の「動くボール」が上位でも通用することを証明した高松第一も、難しいブロックに入った。逆サイドのシードは好左腕・佐治 直哉を擁する大手前高松。さらに小豆島・坂出商、今年は2年生を多く起用し、2年連続甲子園を狙う丸亀といった曲者も同居する。ここも一筋縄ではいきそうにない。
このように激戦必至の香川県の春だが、志はあくまで高く。参加40校の皆さんには今大会、公式戦でしか得られない緊張感の中から「全国で勝つ」意識と技術を数多く体得し、レベルアップの一助とすることを改めて望みたい。
(文:寺下 友徳)