試合レポート

聖光学院vs八戸工大一

2013.06.09

聖光学院vs八戸工大一 | 高校野球ドットコム

八戸工大一、初回に投手を交代する

先制パンチの聖光学院がコールド勝ち

 初回で勝負が決まった。

 聖光学院はこの日、1番に前日まで3番を打っていた横水風寅を置いた。横水は1ボールからの2球目をライト前に弾き返し、続く西村大樹は初球で死球。3番・八百板飛馬は犠打を試みたが、小フライが打ち上げた。アウトか、と思われたが、相手野手が落球。さらにボールはファウルまで転がった。

これで聖光学院は、無死満塁とすると、4番・園部聡がレフト前にタイムリーを放って先制した。佐藤昌平のショートゴロは本塁封殺だったが、6番・石野佑太がセンター前に2点タイムリーを放つと、八戸工大一は長塚から磯谷英貴に交代。140キロ近い直球を放る長塚はわずか1/3、13球で降板となった。

攻撃はまだ続き、磯谷は7番・石垣光浩に死球を与えて一死満塁から8番・廣瀬和光がセーフティスクイズ。9番・今祐也に四球を与えたが、1番の横水をショートゴロに打ち取って何とか初回を終えた。

その後、磯谷は2回から6回までヒット2本に抑えたが、7回に味方のエラーとヒット、犠打で走者を進められ、犠飛で1点を失った。

8回はエース・鶴飼雄喜が登板したが、内野安打2本と犠打などで二死二、三塁から横水にライト前ヒットを許して2点が入り、コールドが成立した。

八戸工大一・長谷川菊雄監督は、
「やってきたことがこの場でできなかったので、まだまだ力が足りないということです。(敗因は)こちらの気持ちの弱さです」と話した。
特に初回。長谷川監督は先発させた長塚に多少の自信があった。それが、思わぬ形で弱さが出た。
「いきなりいい当たりをされて、バントの小フライを落として。自滅です」(長谷川監督)


聖光学院vs八戸工大一 | 高校野球ドットコム

先発し好投を見せた今(聖光学院)

一方の聖光学院も2回以降の攻撃には反省が残った。それでも、先発・今祐也八戸工大一を1安打に抑えたことは何よりの収穫。

「コントロールにばらつきがあるんだけど、今日はインコース攻めを指示して、徹底してまとまっていたね。抜けたり、浮いたり、逆球といったことがなかったからね。右バッターへのインコースなんてあっぱれだったね。県大会で2試合先発させて、まぐれか、本物か、となっていたけど、今日で本物になったと判断してもいいのかな」と喜んだのは聖光学院・斎藤智也監督。

マウンドから気持ちが伝わりにくく、斎藤監督は「俺が投げるとか、俺が抑えるとか、気持ちが伝わってこなかったんだよね。お客様でマウンドに立っている感じ。そこが気に入らなかった」と振り返る。
この日で「本物」と言い切れたのは、「雰囲気も伝わって来るし、表情にも出るようになってきたね」と成長を認めたからだ。

前日は佐久間悠次が好投し、

「佐久間と今で(2試合を)勝ったのは大きい」と斎藤監督。
エース・石井成は今大会、まだ登場していないが、実力は折り紙付き。7回二死まで四球1で無安打投球を披露した今を含め、試合を作れる投手が3人になったという点は大きな収穫だ。

さらに、この日、もう1つ聖光学院にとって「形」ができた。反省が残った攻撃だったが、1番に置いた横水が機能したことだ。
「3番に横水、4番に園部を置くと、打て、打てってなっちゃうんだよね。離した方がいいね」と斎藤監督。横水が攻撃的1番打者として打って出塁し、2、3番で進めて園部が返す。その形が見えた試合にもなった。

(文=高橋昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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