熊本西vs熊本商
サヨナラ勝ちを決め田上翔を中心に歓喜の渦ができた熊本西
延長15回の死闘、熊本西が制す
まさに死闘だった。先制した熊本商に対し、終盤に熊本西が追いつき、9回を終了した時点で2-2の同点。延長戦に突入してからも両者一歩も譲らないまま、試合は引き分け再試合に持ち越されるかに思われた。
しかし、延長15回裏、劇的な幕切れが待っていた。2死三塁から5番・田上翔が左前にサヨナラ打を放ち、3時間を超える死闘に終止符を打った。
一塁を回ったところで戻ってきた田上翔は、ホームベース付近でナインにもみくしゃにされ、歓喜の渦に包まれた。
それにしてもこの劇的な幕切れを演出するにあたって、粘り強く投げ抜いた背番号10の稲津飛鳥の存在が大きかった。
独特のサイドハンドから110キロ台のストレートに70~80キロ台の超スローカーブを織り交ぜ、強打の熊本商打線を翻弄。そのピッチングに味方も大飛球の好捕や見事な中継プレーで刺殺を決めるなど、随所に勝負強い守りで援護した。
熊本商は、注目の森川祐至が、比較的遅いといわれる[stadium]藤崎台球場[/stadium]のスピードガンで、初回から140キロ以上を連発するなど、15回を投げて22奪三振。特に5回から6回にかけては、5連続奪三振をマークするなど、糸を引くようなストレートに鋭いスライダーが冴えていただけに、攻撃陣のあと一押しが悔やまれた。
(文=編集部)