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重心移動~下半身編~(4)

2012.03.10

久保田正一本気の心技体

重心移動~下半身編~(4)2012年02月10日

『運動学・解剖学的観点から考えた投球フォーム、重心移動~下半身編~(4)』

 今月末になりましたね。選抜甲子園大会!!!

 仕事柄、選抜出場選手の動作分析を行ったりするのですが、今年の選抜の投手陣は素晴らしい選手が揃っていますね!今秋ドラフトで話題になるだろう投手が沢山います。是非結果だけではなく(完封、奪三振、球速など)、フォームをしっかり見ながら観戦してみて下さい!意外な投手が甲子園を熱くするかもしれませんよ!

 今回は下半身の重心移動の続き、軸脚の支持の仕方について説明させて頂きます。まず今回は誤った軸脚の支持の仕方について説明させて頂き、自分がそういったフォームになっていないかをチェックして頂ければと思います。そして次回、どのようなフォームが理想なのかを説明させて頂きます。

[page_break:下半身の重心移動の続き]

下半身の重心移動の続き

左・写真(1) 右・写真(2)

 軸脚の支え方ですが、ここでの問題は『膝が早く内に入っていないか』です。この『膝が内に入る』入り方が2種類ありますのでそれを紹介させて頂きます。

 まずは写真(1)のように、足の小指側が全体に離れながら、膝が内に入っている選手です。それともう1つは写真(2)のように、足のかかと側から離れながら、膝が内に入っている選手です。

<膝が早く内に入る投手>

(1)足の小指側が全体的に離れて内に入る
   (軸脚の支持が不十分)
(2)足のかかと側から離れて内に入る
   (軸脚の回転が早くなる)

 ではなぜこのように膝が内に入るのが早い投手が良くないのか?ですが、写真①から説明します。
 投球動作は全身で投げる、とよく言われます。しかし具体的にどうやって、どこを使って全身で投げているのかが分かっていないと『全身』では投げられません。

 そういう利点から蹴った方がいいのですが、(1)の状態であれば十分に蹴ることができません。つまり軸脚での重心移動、骨盤の回転運動が不十分になるのです。

 また(1)の状態でも膝が内に入ることで、骨盤が自然と回転し、開いてしまう選手もいます。そうなると踏み出し足にまで影響しますので要注意です。

[page_break:軸脚の支持の仕方]

軸脚の支持の仕方

左・写真(1) 右・写真(2)

 

 次に(2)ですが、これも早く軸脚が回転することにより、前方への重心移動が不十分となりしっかりと蹴る力を前方へ伝えることができません。または骨盤も同時に回転してしまい、いわゆる開いた状態での重心移動となってしまいます。

 以上の点で、上記(1)、(2)のような軸脚の支え方ではしっかりと軸脚の蹴りを使った重心移動はしにくいのです。ということは『全身を使った』投球ではない、ということです。

 最後に注意しておいて頂きたいのは、投球での重心移動では膝は内に入ってきます。入らないと回転動作はできませんので必ず膝は内に入ります。私が言いたいのは『膝が内に入るのが早い』ということです。しかしまだここではじゃあどこまで入らないのが良くて、どこから入ればいいんだ、という話はしていません。これは次回したいと思います。

 話の進行上、一気に説明はできませんのでご了承下さい。次回を是非お楽しみに!!!

(つづく)

(文・久保田 正一) 

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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