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運動学・解剖学的観点から考えた投球フォーム、真っ直ぐ立つ(4)

2011.11.10

久保田正一本気の心技体

運動学・解剖学的観点から考えた投球フォーム、真っ直ぐ立つ(4)2011年11月10日

 秋季大会も終わり、来春の選抜甲子園に出場をほぼ確定している高校もあるでしょう。私が指導してきた選手(中学時)の中にも、秋季地区大会を主戦として投げ、もしかすると来春の甲子園に選ばれるかもしれないという子もいます。1月末の発表まで楽しみでなりません。

 11月になり、今月末で高校野球の練習試合は終了し、オフに入ります。オフで伸びる選手、伸びない選手の違いは、まずこの時期に自己分析がしっかりできているかです。皆さん、新チーム結成後からシーズン終わりまでで、自分の課題は何だと思いますか?長所、短所、それぞれをまずは明確にしましょう!!!

 今回は、どうやってバランスをとるのか?という話をしたいと思います。


足の裏のどこに体重がかかっているか?

【閉眼立位】

  皆さん、ちょっとしたテストを行いましょう。片足立ちで眼をつぶったまま何秒立てますか?さ~やってみて下さい。

注意点
・上げる足は軽く前方に上げる
・支えている足がズレたらそこで終了
・手は横に広げず下に下げたまま
・両脚はつけない
(写真①)

ポイント
・何秒立つことができたかチェック
・倒れた方向(左右)はどちらかチェック

 私が開催しているスローイングクリニックでこれを実施するのですが、小学生でも長い選手は120秒(2分)立つことができます。閉眼ですよ、眼をつぶって下さいね!

 もし120秒立てない選手たちはどうしないといけないか…

 『もっとバランスよく立ちます!』
 という選手たちがほとんどですが、どうやってバランスよく立つのでしょうか。

 よくバランスという言葉を使いますが、私はあまり好きな言葉ではありません。なぜならバランスが悪い原因には何かがあるからです。どの原因を改善しなければ、バランスはよくならないのです。

 これは『調子が悪かった』という選手と同じなのです。何の調子が悪かったのか?これが分からないと改善はされません。ですから『バランスよくなろう』では、バランスはよくならないのです。バランスが悪い原因を知ること、これが重要となります。

 では、先ほどのテストで長く立てなかった選手は何をしなければならないのか?今からの話をしっかり聞いて下さい。

 皆さん、漠然とバランスをとろうとしていませんか?ほとんどの選手がそうです。では、どこに意識してバランスをとることが大事なのか?それは…

 足の裏のどこに体重がかかっているか?

 これを知ることです。


調節することとは?

【足の裏】

 写真②が足の裏になりますが、片足で立つ場合、親指の付け根、小指の付け根、踵の3点で体重を支えています。(写真②)

 3点の中のどこかに重心があるからバランスよく立つことができるのです。

 テストのポイントで、どちらに倒れたか(左右)チェック、というのがありましたが、右足で支えていて、右側にバランスを崩した場合は、小指側に重心が行き過ぎたからです。また左にバランスを崩した場合は、親指側に重心が行き過ぎたからです。

 これがバランスを崩した原因なのです。ということはこれと反対方向へ重心を動かせば、バランスはまだ長くとれるのです。
 調節するとはこのことなのです。右に行けば左へ、左に行けば右へ…これができれば可能な限り長くバランスをとることができるはずです!!!

 閉眼でのバランステストを120秒簡単に行うプロ野球選手がいるのですが、その選手にどのようにバランスをとっているのか聞いてみました。
 すると彼は、『土踏まずを上げたり下げたりしています。』と答えました。

 土踏まずを上げると重心は小指側に、下げると親指側に移動します。前述したことと同じことをしていたのです。

 さ~これで皆さんのバランス能力も上がるはず!!!(もちろんバランス能力はこの他にも要因はあります)是非実践してみて下さい!!!

(文・久保田 正一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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