安田学園vs和光
高師(安田学園)
走好守揃えた安田学園が11対1で和光を下す
「今年のチームは面白いと思います。1番から9番まで走れる。セーフティーバントを仕掛けたり、しつこい攻撃も出来る。前のチームと比べても選手は小柄だけど、コツコツやるタイプの選手が多いんですよね」(安田学園・森泉監督)
そう指揮官が、試合後に口にしたように、この日も盗塁やセーフティーを要所で決め、和光ベンチを揺さぶった。さらに、初回から相手投手陣の制球が定まらず、計10四球をもらって出塁したランナーのうち、6人がホームを踏むなど、ソツのない攻撃で得点を重ね続けた。
4、5回の2イニングでは、一挙8得点を奪った安田学園打線。7回にも、4番深見が相手エラーで出塁すると、5番安藤の三塁打。さらに、6番田中の右前適時打でダメ押しの2点を追加。
春も東京大会初戦で世田谷学園に1対5で敗退するなど、白星から遠ざかっていた。
チームとしては昨秋のブロック予選以来、1年ぶりの勝利となったが、選手たちの表情にはまだ安堵感はない。
エースナンバーを背負いながらも、キャプテンにも任命された高師良典は、
「夏の悔しさをはらすために、秋はもっと勝ちたい」そう話す高師は、この試合は5回から抑えでマウンドに上がると、3イニング無安打無失点で好投した。
和光相手に、高い打撃力をみせた安田学園だったが、投手陣の調子も上向きだ。
寺澤(安田学園)
この日、先発を任された寺澤潤は、この試合が公式戦初先発。
立ち上がりこそ、「緊張していました」と、初回は先頭2人を四球で出塁させるも、捕手の深見俊介が、
「今日はどれだけ寺澤にラクに投げさせてやれるかを意識して、自分の緊張も顔に出さないように注意して戦いました。ストレートで勝負できる配球で、うまくリードできたと思う」
という深見のリードも光って、
「空振りが取れてきた3~4回あたりから自分のピッチングができるようになりました」(寺澤)と、4イニングを投げて被安打4、1失点と快投をみせた。
この寺澤、高師の他にも、左の安藤も控える。安藤は、マウンドに上がらない時は外野手として、さらにバッティングでは5番に座り、チームをけん引する。
走力、打力、投手力ともに充実したチームに仕上がった安田学園の今後の戦いに注目したい。
【和光・渡邊監督コメント】
「投手陣の状態が万全ではなく、不安だらけの中での試合ではあったが、序盤までは何とかこらえてくれた。ただ、11対1という結果は、今の力を考えると仕方ない結果ですが、春までにチームを建て直してきます」
~次の試合予定~
安田学園は、次は中大杉並と都立深沢の勝者との対戦
(文=編集部)