肩部のコンディショニング2-1
【動画】肩部のコンディショニング2-12011年08月29日
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リコンディショニングについて動画で解説!
前回(第35回 肩部のコンディショニング1)はチェック法についてお話ししましたので、今回はリコンディショニング=コンディションを整える方法についてお話しします。
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こちらのコラムの動画はWEBからアクセス!
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Ⅰ 肩を形成する関節の種類
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肩は被合体としてとられてく鎖骨、肩甲骨、胸骨、上腕骨です。
①胸鎖関節
体幹と上肢帯をつなげる関節で、胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の胸骨端でなしている鞍関節である。関節円板があり、40°の傾きがある①拳上と下制、②前方けい引と後方けい引の動きがあります。
②肩鎖関節
鎖骨の肩峰端と肩甲骨の肩峰関節面で形成される関節である半関節です。それに肩甲骨面や平面だかである円板も不安定で上下肩鎖靭帯、烏口鎖骨靭帯があり、すべりと軸連動が起きます。
③肩甲上腕関節
上腕骨頭と肩甲骨関節窩から成り、骨頭の5分の2は球状45°上方に傾斜、20°後方に捻ねています。肩甲骨の関節窩も5°上方へ傾斜している。周囲には線維性軟骨の関節唇があります。関節包はゆるく烏口上腕靭帯、上・中・下の関節上腕靭帯上腕の上方を防ぐのは烏口肩峰靭帯、下方脱臼を防ぐのは関節包上部と烏口上腕靭帯である。屈曲→伸展、内転⇔外転、内旋外旋の動きがあります。
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Ⅱ 肩のコンディショニングにおいてととのえる機能とは?
肩のコンディショニングをととのえることおいて大切なのは、どこのコンディショニングをととのえるのかということが大切です。
1つ目は、関節・靭帯啓の受動的関節の支持機能
2つ目は、筋・筋膜系の能動的支持機能
3つ目は、神経・受容器系の運動制御機能
もっと詳しくいけば、脳・脊椎の中枢統合や内臓系心理的などが加わってきますが、ここではこの3つに絞ってお話しをしようと思います。
また運動機能をととのえる上で大切な3つは
①運動学的モデル
姿勢評価、動作分析を成城と比較して行います。
②病理運動的モデル
疾病や外傷に起因する病理学的な組織異常が機能障害や能力障害を起こすととらえられるものです。
③運動病理学的モデル
日常生活の反復運動や不良姿勢が原因と捉えるモデルです。
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Ⅲ 実技 肩のコンディショニングテストに対しての処置法
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まず、前回行った肩のコンディショニングテストだがこれに軟部組織が拘縮して起きています。これは可動域制限をもたらしており、特に筋硬結を起こしているものが多いです。筋がバンドのようにコリコリして索状になっており、圧迫するとまわりに放散痛を拡げます。
さて、この硬さが関節包や靭帯によるものか、筋膜によるものかで処置が違ってきます。筋であればその固いところを押圧してストレッチをかけると可動域が拡がります。
関節包はご遺体で筋をとり関節包下部だけ残し、拳上を数回繰り返すと可動域は元に戻りました。これにより固さは筋が多いと捉えていきます。
また、拘縮があれば、筋の収縮・伸張のシステムが停止しているわけですから、筋力は低下してパフォーマンスの低下につながり、またエキセントリックに機能しづらく障害の原因にもなります。
①挙上制限・挙上外旋制限
ご遺体で、腱板筋と烏口腕筋だけ残し肩を拳上すると肩甲下筋と小円筋が緊張して110°で拳上が止まりました。ここでローテータカフに参加していない肩甲骨下筋の5つの筋束の下部の5本目(直に骨頭前下方に付着)を切ると160°まであがりました。また外旋も可能になり、小円筋は緩みました。
以上から、拳上制限は肩甲下筋下部と小円筋、拳上外旋は肩甲下筋下部のみとします。
②結帯動作の制限
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外転・伸展・最大内旋・肢位である。これは棘下筋と小円筋の硬結(スパズム)で制限されます。伸展は特に烏口腕筋のスパズムで制限されます。
③肩関節第二肢位での制限
外転30~40°位の内外旋であり外旋は肩甲下筋下部、内旋では棘下筋、小円筋です。
1.筋硬結をとるにはまず、筋をストレッチポジションにして硬結を探しやすくして
2.硬くて、索状の最も痛いところを探して
3.圧迫、揉捏を3~4回(かなりの痛みを伴うが、施術後はすっきりした感覚になります。)
4.他動的ストレッチテストでROMの拡大を確認
5.うまくいくと痛いところが関わってきます。これはスパズムが取れて次の別の痛みに注目が移った証です。
ポイントは
1.僧帽筋中部と小菱形筋 肩甲骨を外転してスパズムをつぶして、側臥位からリリースします。
2.小円筋 外転内旋させて、最も痛いところを聞いてつぶしていきます。ゆっくりリリースしていくことが大切です。
3.三角筋後部 内旋制限する、小円筋との重なり部位です。肩峰角より後ろの中部線維との重なりに硬結が多いです。
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Ⅳ 痛みをどこで感じているのか?からは次回のコラムで解説していきます。
(解説=殖栗正登)