Column

軸を作る

2011.05.18

保田貴史の「年間トレーニング計画」

軸を作る2011年05月17日

 先月は、目に着目してお話ししました。
しかし目だけが良くても競技力は上がりません。動体視力を鍛えたら次は身体をどのように動かすかです。反応が良くても情報に対して正確に身体を動かさなければいけません。そのために必要になってくるのは身体の使い方です。よく「体幹を鍛えろ」というお話を聞かれますが、実際にどのように鍛えればいいのか。

 「腹筋をすればいいのか?」「体幹だけでいいのだろうか?」など様々な疑問が浮かんできますが、今回は体幹の鍛え方を説明していきます。雨の多い梅雨の時期に、ぜひ試してみてください。

 まず体幹とは、四肢を除いた部分です。胸の部分から股関節の部分までです。腹筋は何層にも分かれています。深部の筋は固定する働きを、表部の筋は動きを作り働く、サイドの筋は捻りをメインで作る筋です。これらの筋が働き、体幹の動きを作っているのです。

腹圧を高める

【軸が出来て安定している】

 腹圧を高めて体幹を固定するという話を聞きますが、腹圧を高めるとはどのような状態なのか。

「腹圧を上げる=おなかを引き締める」ということです。

 例えば、腰痛の人がする「腰痛バンド」。あれも腹圧を上げるものです。
腹圧を上げることで、内臓も安定しますし(周りの筋肉で支えられているから)、なにより姿勢が安定します。
 ちなみに、腹圧(腹筋、お腹の筋肉)を意識しないと、上半身を支える力がなくなり頭がぶれます。

 腹圧を上げる=おなかの筋肉群を引き締めることで腰椎(腰の骨)の負担が減り、背骨とお腹を含めた、お腹周り全体でカラダを支えることができるんです。

 そして、その腹圧をかけてカラダの安定感を増すことで、上半身と下半身はスムーズに連動しやすくなる働きがあります。


軸を作る

【タオルギャザー】

 軸とは地面から垂直に伸びた臍・鼻を通る直線です。

 身体の中で一番重い頭は一番上に乗っています。ということは、体幹が緩んでしまうと頭は前後左右にぶらつきます。そのため身体の動きがぶれてしまい、動き全体を崩してしまいます。軸がブレる=頭もブレる。下半身で踏ん張っていても、真ん中の部分で崩れてしまうと、頭はぶれてしまうのです。

 だから投げる動作にしても打つ動作にしても軸を作ることが大切になってくるのです。回転ドアをイメージしてみてください。真ん中に軸があるから末端の動きが同じになってくる。人の動きも似ていて、軸のない動きは、動きが定まらず肩や肘に負担がきます。

動作と軸

 動きとは、軸の上から重心がズレることにより動きが生まれるのです。それが、走る・投げる・打つという動作です。

 動きとは、まずは軸を作りそこからスタートします。
今回、お話した体幹・下半身の安定をすることで頭の位置が定まり目のブレが少なくなる。そのことにより、正確に目でボールを捕らえることができるので正確性が増します。だから「軸を作る」ということが動きの中で、とても重要な要素となるのです。

【ページ下部・写真の説明】

図3:軸ができて安定している状態
図4:軸から重心がずれた状態。動きが始まっている。
図6:タオルギャザー。足の指でタオルをつかみ、引いてくる。足裏の感覚が養え、下が安定する。
図7:スクワットの姿勢で行うトレーニング。ゆっくりと息を吐きながらへそを凹ます。
・背中を地面に付けるイメージ
・背中を丸めない
・おしりの穴を締める。
・これを立って出来るようにする。

(文=保田 貴史

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉