10年夏の地区大会を振り返る ~九州地区編~
第17回 10年夏の地区大会を振り返る ~九州地区編~ 2010年08月06日
今年も九州は投手王国だった
今年の九州を象徴する投手・島袋(興南)
とくに投手だ。検証甲子園でも紹介した田中太一(大分工)は明豊を破り見事に甲子園を決めたし、その田中に敗れはしたが山野恭介(明豊)も見事な復活を遂げた。佐賀では左腕の宮島勇二(多久)が1試合19奪三振を奪うなど猛威を奮い、同じ左腕の浜田智博(宮崎工)と比較されながら注目を集めていた坂元悠貴(延岡学園)が宮崎を制している。
今夏の甲子園に出場する2年生・森達也(西日本短大付)を筆頭に、福岡ではキレの良いストレートとチェンジアップを武器とする左腕が割拠した。坂田将人(祐誠)は春の九州大会佐賀北戦で演じた19奪三振が目立ちすぎて、三振のイメージばかりがひとり歩きしている感もあるが、ボールそのものは非常にクオリティが高い。
そして忘れてはならない沖縄の両雄、島袋洋奨(興南)に宮國椋丞(糸満)である。彼らはきっちりと決勝で顔を合わせ、完成度と素材とでぶつかり合ったのだ。島袋にいたっては、ここで列挙した好投手の中でもやはり群を抜く存在だった。彼は沖縄県民の悲願を成就するため、高校生活最後となる甲子園のマウンドへ向かうはずだ。
島袋を頂点に戴く投手王国、九州。向かった球場の先々で、これでもかと好投手が沸いて出てくる。
1、2年生にも好素材が多いため、この現象はさらに継続されていきそうな気配である。
(文=加来 慶祐)
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