試合レポート

富岡西vs小松島

2010.06.07

2010年06月06日 蛇王球場

富岡西vs小松島

2010年 徳島県高校総体協賛ブロック大会(南部ブロック)  準決勝

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平間友介捕手(富岡西)

富岡西、秋春県王者小松島を止める!

8チームが参加した「徳島県高等学校総合体育大会協賛 高校野球ブロック大会」南部ブロックのトーナメント。徳島市から列車で約2時間、NHK朝の連続TVドラマ「ウェルかめ」の舞台となった美波町からさらに南に下り、男子プロゴルフの尾崎将司がセンバツ優勝投手となったことで知られる徳島海南高校(現:海部高校)近くの蛇王(ざおう)球場では6日、準決勝の2試合が開催された。

第1試合は昨秋と今春の徳島県大会を制し現在県内公式戦11連勝中の小松島と春季県大会ベスト8の富岡西とが激突。夏の覇権の行方を争う上でも注目の一戦は、観客の期待に違わぬ好勝負となる。小松島は春季四国大会1回戦・野村戦以来の公式戦登場となったサウスポー・西口元気(3年)が、絶妙のコントロールで6回まで2塁すら踏ませない好投を見せれば、富岡西先発の亀島稜太もゆったりしたフォームからのびのあるボールで同じく6回まで1安打無失点。小松島・川原央(3年)、富岡西・平間友介(3年)の大胆かつ細心なリードも緊迫を高める一助となっていた。

そんな緊迫高きゲームが動いたのは7回表。富岡西は1死から5番・田中智大(3年)の2塁打と西口の暴投で得たチャンスで、続く園浦右京(3年)が見事スクイズを決め先制。ところがその裏、小松島も1死1・3塁から9番・山下学(3年)の内野ゴロで同点に追いつき、その後も連続四球で2死満塁と富岡西を激しく攻め立てる。

しかし、そこで彼の前に立ちはだかったのは亀島をリリーフした「精神的に安定している」(小川浩監督)土井陽介(3年)である。土井はアンダーハンドからの鋭いシュートでこのピンチを三振に斬ると、その後もランナーを背負いながらも粘り強いピッチングを披露。バックも9回裏1死2塁から、センターへの大飛球を園浦が背走しながらスーパーキャッチするなど彼をよく盛り立て、試合は12回を超えて新しいイニングに入らない延長戦に突入した。

そして決勝戦進出を決めるための抽選準備が本部席で始まった12回表。試合は再び動いた。富岡西は4番の平間がレフト線への2塁打でチャンスメイクすると、2死2塁からラッキーボーイの園浦が追い込まれながらも左中間を破る2塁打で2対1と勝ち越し。その裏の小松島の攻撃を土井が3者凡退で仕留め、富岡西小松島の公式戦連勝記録を止める金星で決勝戦進出を決めたのである。

試合後、小松島・豊富尚博監督は「打線は今が底。間違いなしに夏までは上がってくるし、あとは気持ちのケアだけ」と敗戦による自チームへの影響を明確に否定したが、逆に創立125年目での初甲子園を目指す富岡西にとって、この勝利がこれ以上ない夏への大きな自信となったことは確か。現在は第一シード・小松島の優勝が本命視されている夏の徳島県大会であるが、ひょっとしたらこの一戦が大きな潮目になるかもしれない。

(文=寺下 友徳


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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