試合レポート

川島vs池田

2010.06.04

2010年06月04日 吉野川運動公園野球場  

川島vs池田

2010年 徳島県高校総体協賛ブロック大会(西部ブロック) 2回戦

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東谷祐希(川島3年)

これぞ高校野球!緊迫と白熱の一戦は川島大逆転勝ち!

第3試合の2回戦2カード目は全国的にも注目を集める一戦が組まれた。
21世紀枠で出場した先のセンバツでは昨秋の神宮大会覇者の大垣日大相手に感動的な戦いを繰り広げた川島と、地元・ 池田 が対戦。
特に 池田 は「攻めダルマ」の異名を持つ故・蔦文也監督の後を受け継いて母校を2度、夏の甲子園に導いた岡田康志監督の12年ぶりとなる 池田 復帰後、初の公式戦とあって、500人近くは入るバックネット裏のスタンドは現役池高生からオールドファンまで多くの観客によってほぼ埋め尽くされた。

そして試合はその期待に違わぬ好勝負となる。
1回表裏に両校が3点ずつを取り合う激しい打ち合いの後は、川島のエース東谷祐希(3年)を「細かい部分の野球ができるかできないかを大事にしている」(岡田監督) 池田 がシェアなスイングで勝ち越し、それをセンバツ後は公式戦2連敗、練習試合でも思うような成績が上げられなかったことから、「今日は勝つことにこだわることをテーマにしてきた」(北谷雄一監督)川島が四死球を絡めて追う白熱の展開に。

それでも7回裏にバントを絡め、3番ショートの宮下佑介のタイムリーで5対4と勝ち越した 池田 は、先発の村下良介(3年)から5回途中には藤山強志(2年)、9回からは西岡大地(2年)とつなぐ必死の継投策で9回表2死3塁まで川島を追い詰めたのである。

しかし、その前に立ちはだかったのは川島の4番キャッチャー・南優希(3年)であった。
1ボール後の真ん中低めの直球を迷わず振り抜いた南の打球は瞬く間に三塁線を抜け、この日3安打3打点目となる同点タイムリーに。
さらに続く5番・レフトの小崎文也のセンター前タイムリーで大逆転を果たした川島は、その裏を東谷が雄叫びを上げながら3者凡退でしのぎきり、6対5で 池田 を下し6日、 脇町 との準決勝へ駒を進めたのであった。

第1試合レポートの最初にも触れたが、この大会は夏に向けてシード権争いの対象になる大会ではない。言い換えれば「負けても影響のない、調整に努めても構わない」大会である。それでも現状のベストメンバーで真摯にかつ真剣に勝敗にこだわり、最後の最後までファイティングスピリットを失わなかった両校。彼らに改めて拍手を贈ると共に、高校野球の原点を見せてくれたことに感謝したい。

(文=寺下 友徳


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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