オフシーズンの勉強
来年の春までに体力をつけたり技術力を磨いたり自分の課題に向き合うことでしょう。何となく練習をするより、明確な目標を持って実践していくことが大切です。
「考える力」を身につける
毎日の積み重ねで徐々に培っていく「考える力」
【写真:僕らの勉強方法、教えます!」(下) 桐朋学園&佼成学園より】
シーズン中はどうしても野球中心になります。授業中にしっかり聞くということで学力は維持できますが、オフシーズンは苦手である勉強をしっかりやることをおすすめします。
考える力がないと野球では活躍できません。身体能力と技術だけで活躍するのは限界があります。もう一歩先を行くためには「考える力」が必要です。
考える力は一晩ですぐに得られる力ではありません。毎日の積み重ねで徐々に培っていくものですから、この時期に精力的に勉強することも大切です。
面倒くさい勉強、苦手な勉強、面白くない勉強・・
なぜ必要なのかをまずははっきりさせましょう。
私は高校は文武両道の学校でプレーして、高校卒業後に社会人野球の世界に進みました。16年間プレーしたので様々な選手が入部してきたのを思い出します。野球だけをしてきたような選手は会社では大変苦労していました。
漢字が書けない読めない、簡単な仕事でも一歩先を考える習慣がないので言われたことだけしかできない。周囲も迷惑しますが、一番自分が恥をかきます。
高校や大学の学生時代は、社会に出るための準備期間です。この準備期間に野球だけしているようではいけないのです。テストで100点取るということではなく、考える力を身につけるために最低限の学力と思考力、そして知識は必要です。
最初から「分からない」ではなく、理解しようと努力する(考える)ことは大切です。野球を一生懸命やるのは好きだから当然ですが、嫌いな勉強を一生懸命にすることに大きな意味があります。
社会に出れば好きなことばかりやれるとは限りません。自分がマイナス感情になるものに対しても真摯に向き合い、きっちりやらないといけません。学生時代に好きじゃない勉強を頑張ることは、社会に出たときにその経験が生きます。
「毎日の15分」を作りだす
野球に繋がる学ぶ力、社会に出ても通用する我慢する力
【写真:僕らの勉強方法、教えます!」佼成学園 (上)より】
練習でも大好きな打撃練習だけしてもダメです。苦手な守備練習をしたり走塁練習も必要です。強みを伸ばしていくのは当然ですが、弱みも「そこそこ」まで引き上げないと大きな成果は出せません。
厳しい練習を通して「我慢する力」が身についていきますが、同時に勉強を通して「我慢する力」が身につきます。
シーズン中ではなかなかしないと思いますが、シーズンオフは短い時間でも机に向き合い勉強をすると良いでしょう。勉強を継続するためには、開始時間を決めるということです。机に向かう習慣がない人は、最初に時間を決めることです。
勉強の鉄則は、「静かな空間でやる」ということなので雑音は徹底的に排除します。何かを氣にしながらもダメなので、携帯電話は同じ空間に置かないようにします。音楽もなしですべての音をシャットアウトします。
勉強の仕方はそれぞれでしょうが、基本的には予習と復習があります。野球も終わってからの反省がありますが、私のチーム指導では「やる前の頭の整理」を大切にします。準備を大切にして成果を出す野球を目指します。
予習するところはまだ先生から説明がされていないので、意味は少ししか分からないと思います。でも授業で先生の話を聞くと「こういうことか」と深く理解します。授業中を充実させるためにも「予習」は欠かせない学び方です。
毎日決めた時間から15分でいいので「明日やるところの教科書」を読んでいくことです。授業中の理解度を上げると勉強も楽しくなります。
野球に繋がる学ぶ力、社会に出ても通用する我慢する力・・
オフシーズンだからこそ毎日の15分を作り出して習慣化したいものです。
(文=遠藤 友彦)