身体を温めるための一工夫
第9回 身体を温めるための一工夫2010年11月30日
身体を温めてからトレーニングを行おう
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
明治神宮大会が終わって今年の公式戦もすべて終了しました。
これからの時期は寒さとの戦いでもあり、特に雪の多い地域の皆さんはグランド練習に代わるトレーニングなどを行いながら、野球シーズンに備えて体力作りに励まれることと思います。
今回は冬の寒さ対策として、身体を温めるためのさまざまな工夫についてお話ししたいと思います。
身体が温まっていない状態で練習やトレーニングを行うと、筋肉や関節などを痛める原因となりやすいのは前回のコラム、ウォームアップとストレッチでもお話ししました。
身体を温める方法としては大きく二つの方法が考えられます。一つは身体を外から温めること、もう一つは身体を中から温めることです。
身体を外から温める方法としては防寒対策のウエア(帽子、手袋、厚手のソックス、ネックウォーマーといった小物に至るまで)を着ること、室内であれば室内温度を調整することといったごく一般的なことから、身体が温かくなるようなジェルを利用するといった何かを準備して対策をとる方法などがあります。
温かくなるジェルはホットジェル、塗るカイロなどとも呼ばれ、直接皮膚に塗っておくと身体を動かした際にポカポカと温かさを感じます。
寒い日の試合などではウォームアップ時に合わせて利用すると身体が温まる時間が短縮されて便利です。
またしっかり入浴時間をとることも身体を外から温めるアプローチ法の一つです。
あるチームでは選手全員が朝風呂に入り、身体をしっかり温めてから試合に臨むということを実践しており、ウォームアップとして入浴をうまく活用されているようです。
またお湯もさら湯ではなく、入浴剤などを利用するとより高い効果が期待できます。
入浴剤がなくても粗塩をひとつまみ入れるだけでもずいぶん違ってきますよ。
その場ジャンプで身体を温める
一方、身体を中から温めることとしては、ジョギングの時間や量を多めにとり、身体の中から汗が出るまでゆっくり体温を上昇させること。ウォームアップの時間も夏の時期に比べるとより多くかかります。
寒いときに自然とぴょんぴょん飛び跳ねると何となく身体が温まるような気がしますが、実際、短時間で心拍数を上げるにはその場ジャンプなどがオススメです。
縄跳びなどを使って軽くジャンプを行ってからジョギングすると早く身体が温まるようです。
またこの前、選手に試してもらった「しょうが入り紅茶」も大好評です。
しょうがの辛み成分であるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンには、血行を促進させる作用があり身体を温めます。
実際に飲んでみるといつも通りに過ごしていても汗がどんどん出てくるのにはビックリ。
新陳代謝を高めるため、ダイエットとしても効果があるといわれており、身体を中から温める飲み物としてうまく活用してもらえたらと思います。
身体を温める方法をいろいろとご紹介しましたが、皆さんのチームで取り組めるそうなものがあればぜひ試してみてくださいね。
(文=西村 典子)
次回、第10回公開は12月15日を予定しております。
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