アクティブレストで疲労回復
第4回 アクティブレストで疲労回復2010年09月15日
ストレッチをする弥栄高校ナイン(神奈川)
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。まだまだ暑い時期が続いていますが、毎日の練習や連戦の疲れにはどのように対応していますか?今回は疲労回復のためのアクティブレストについてご紹介したいと思います。
練習や試合が終わった後やその翌日といえば、疲れたからゆっくり休みたい、寝ていたいと思う選手も多いと思います。そこで体を動かさずに自宅でゴロゴロする、そのまま寝てしまうと実は体の疲労回復のスピードは遅くなってしまいます。野球をした後に適度に軽めの運動を行って、体にたまった疲労物質を長くとどまらせないようにする方法を「アクティブレスト(積極的休養)」といい、多くのアスリートが注目している疲労回復法なのです。
皆さんが一番身近に行っているアクティブレストといえば、練習や試合後のクールダウンです。グランドで座ってストレッチを行う光景をよく見かけますが、出来ればストレッチを行う前に軽くジョギングやウォーキングを取り入れるようにしてみましょう。ハードに動いた体は心拍数も高く、急激に体を動かさなくなってしまうとより疲労感が増してしまいます。すべての練習が終わった後はチームや個人で、心拍数がある程度落ち着くまでジョギング、ウォーキングなどで軽く体を動かします。もし芝などで地面の状態がよければランニングシューズや靴を脱いで裸足で歩くことをオススメします。長時間靴によって締め付けられた足を開放して足指まで使って歩くと捻挫予防にもつながります。
帰宅後は暑いからといってシャワーのみで済ませてしまわず、湯船につかって入浴するようにしましょう。水による浮力は筋肉の緊張をやわらげますし、水圧によって静脈血が心臓にもどるのを助ける効果もあります。どうしてもシャワーで済ませたいという場合はぜひ温冷の交代シャワーにチャレンジ。温める、冷やすを繰り返すことで血液の流れがよくなり、シャワー後も体が温まった状態がしばらく続きます。入浴後には再度座ってゆっくりストレッチを行いましょう。
試合の次の日といえば部活が休みという場合も多いと思いますが、完全休養よりは軽めの運動を行ったほうがよりリフレッシュします。この場合は軽めというのがポイントで、野球に限らずプールで泳ぐ、バドミントンなどで軽く肩を動かす、ロングコースをそれぞれのペースで走るなど、種目を問わず楽しんで行えるものがいいですね。ポイントとしては体全体を動かすようなものを選ぶこと、血液の循環を良くすることが一番の目的です。時間は短めで少し物足りないかなというくらいでも大丈夫。完全に体を休めてしまうよりも疲労回復効果が高いといわれています。気分転換にももってこいですし、ぜひ試合の後や練習休みにチームや友達同士で取り入れてみてくださいね。
(文=西村 典子)
次回、第3回公開は9月30日を予定しております。
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