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第147回 足首の不安感をサポートする2016年06月15日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村 典子です。

 競技を長く続ければ続けるほど、ケガをした経験は増えるのではないかと思います。特に足首を捻挫(ねんざ)したことのある選手はとても多く、ケガをした後のリハビリやトレーニングが不十分であると、ケガから復帰してプレーを続けていても不安感があったり、関節のゆるみを感じたりすると思います。今回は足首のケガを経験した後、普段の練習でできるコンディショニングについてお話をしたいと思います。

【目次】
[1]足関節捻挫の基本 / 可動域と筋力を回復する
[2]不安が残るときに試してみたいテーピング

足関節捻挫の基本

 足関節捻挫は野球に限らずスポーツ全般において、最も多いケガの一つです。捻挫とは文字通り「捻る(ひねる)」「挫く(くじく)」ことであり、着地のときや、切り返し動作のとき、また接触プレー(相手選手やベース等)などによって受傷します。捻挫には大きく分けて二種類あり、足部を内側にひねってしまう(足裏が内側に向く)内反(ないはん)捻挫と、足部を外側にひねってしまう(足裏が外側に向く)外反(がいはん)捻挫があります。

 足関節の構造上、内反捻挫が約9割を占めるといわれており、その多くは外側くるぶし周囲の靭帯などを痛めるものです。反対に外反捻挫では内側くるぶし周囲の靭帯などを痛めます。また捻挫の重症例では足部の骨折を伴うものもあります。

 受傷した直後に適切な応急処置(RICE処置)を行い、腫れを最小限にとどめるようにして患部を安静にさせておくことが、競技復帰を早めることにつながりますが、「試合中に受傷してそのままプレーを続けてしまった」とか「軽い捻挫程度と判断してRICE処置を行わず、時間が経って腫れてきてしまった」といった場合、後々までその後遺症に悩まされることになります。捻挫程度で…と思わずに痛みや腫れ、運動痛などがある場合はまず応急処置を優先させるようにしましょう。

可動域と筋力を回復する

 患部を安静に保ち数日経つと、痛みなどの炎症症状は軽減することが多いのですが、「痛みがなくなったからプレーに復帰できる」とあせって練習復帰をしてしまうと、また同じ動作で捻挫を繰り返しやすくなります。まずは痛めた足関節が本来の機能を取り戻すためのリハビリテーションやトレーニングを行うようにしましょう。まずは左右を比較しながら関節の可動域(本来動かすことのできる関節の角度範囲)が同じレベルに戻るまで痛みのない範囲で動かすようにします。

 足指のグーパーや、足を浮かせた状態からつま先で円や8の字、アルファベットを描く動作、足指でタオルをたぐり寄せるタオルギャザーなどのトレーニングが関節可動域の回復に役立ちます。

 関節の動く範囲が正常になったところで、次は筋力を強化します。内反捻挫の場合、足の外側を支える腓骨筋(ひこつきん)を強化することで足の裏が内側に向きやすくなることを予防することができます。チューブなどを使って足を中心から外に開く動作を行い、外側の腓骨筋群の強化を行います。

 またつま先を上に持ち上げて脛の前部の筋肉も鍛えるようにするとよいでしょう。筋力レベルにおいても左右差がなくなったところで、初めて実践的な動きを行っていくようにしましょう。特にケガを受傷した時と同じ状況で不安なく動けるようになるまで、足首のトレーニングはしっかりと行うようにしましょう。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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