第551回 第99回全国高校野球地区大会を振り返って「伝統校と新鋭校が入り混じった今年の東海地区」2017年08月03日

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伊藤 稜(中京大中京)

【目次】
[1]下馬評通りの力を見せた中京大中京
[2]新勢力の台頭が各地で発生

 東海四県の代表校は、静岡藤枝明誠三重津田学園が初出場。一方で、愛知は名門中京大中京が2年ぶり28回目の出場。岐阜も3年ぶり4回目の出場となった大垣日大で、こちらはいわば常連校である。

 そして、いずれも春季大会はベスト4以上に進出しており、大垣日大津田学園東海地区大会に進出し、大垣日大は準優勝している。そういう意味からも、やはり直近の春季大会の実績は夏に繋がっていくということを再認識させられた。

下馬評通りの力を見せた中京大中京

 全国で初出場校は6校しかない中で、東海4県のうち2県で初出場校が出たということも特徴的だったと言えよう。それは、近年の東海地区では新しい勢力が台頭してきているということを表しているのではないだろうか。

 名門校の中京大中京が勝ちあがった愛知大会。結果的には、下馬評通りに中京大中京が、攻守のバランスの良さを示した形となった。とは言うものの、ベスト4の段階では、勝ち上がれば春夏通じて甲子園初出場となる可能性の栄徳豊橋中央が残っていたのも印象に残った。それぞれ、東邦中京大中京に挑んで、新旧の対決という形になった。栄徳東邦に快勝して、2度目の決勝進出となったが、最後は伝統校の壁に跳ね返された。それでも、大活躍した捕手の野口泰司君と石原 水輝君の中軸打者が2年生でもあり、秋以降へ向けては、大きな自信となっているであろう。

 1983年に愛知の古豪享栄の分校という形でグラウンド脇に創立した栄徳だが、その後独立して享栄がグラウンドを瀬戸市に移したのを機に、享栄の旧グラウンドを専用球場とした。天理から同志社大と進んで、享栄でコーチを務めていた中野 幸治監督が就任したのが92年。以来、四半世紀を経て、県内でも上位を争う強豪に成長した。

 準決勝では、昨年同様東邦と当ったが、何度も壁として阻まれてきた東邦にやっと勝利した。「今年は、一番可能性はあるかなとは思っていました」と、中野監督は喜んだが、その原動力は今大会県内一番の投手と言われていた釜谷 竜哉君だった。

 まずは、享栄に追いつけ追い越せというところから始まったチームだった。やがて同じ尾張地区の愛知啓成もライバルとして、そしてさらに伝統校の東邦の壁を破って、一つひとつ階段を上っている。

 階段を上っているという点では、豊橋中央も同じだった。前年にチームとして初めてのベスト8に進出して、この夏はもう一つ階段を上ってベスト4。

 15年前に、わずか二人で同好会からスタートした野球部。その創設時から熱い思いで指導する樋口靖晃監督は、「準決勝の景色はまた違ったものがありました。これだけの観客に見守られてプレーするということもそんなにあることではありません。それでも、選手たちは普通にやれたということで、また一つステップは出来たのではないかと思っています」と、チームの歴史とともに歩む喜びを表していた。

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