Column

富岡高等学校(群馬)

2018.02.27


富岡高校野球部

爆発力のある打線で悲願の甲子園出場を目指す

■歴史ある男子高が4月から女子高と統合
 群馬県富岡市にある群馬県立群馬富岡高等学校は、1897年に群馬県尋常中学校甘楽分校として開校。その後、幾度かの校名変更を経て1948年に現校名となった。現在、全日制は普通科が設置されており、今年4月からは富岡東高校と統合し男女共学となる。部活動ではハンドボール部が全国レベルの強豪として知られており、野球部は14年秋に群馬大会で4強。その活躍が評価され21世紀枠の関東地区推薦校となった。また、昨秋も群馬大会で3勝を挙げ、ベスト8の成績を残している。

■富岡野球部の紹介

 野球部は2年生17名、1年生17名の計34名。学校から自転車で10分ほどの場所に野球部専用のグラウンドを有しており、さらに新井 聖主将によると「ライトとレフトのファウルゾーンには監督が手作りした打撃練習ができる鳥かごがあり、空きスペースがないように様々な工夫を凝らしている」という。こうした環境のなか、時には1時間以上も延々とやり続けるポジション別ノックや坂道を利用したダッシュを10~15本など、厳しい練習に取り組むことで技術、体力の強化を図っている。

■今年のチームが始まって、印象に残っている試合は?

 秋季大会のシード校を決める準公式戦の西毛リーグ・決勝戦で健大高崎と対戦し、9回表に神岡 太久磨選手の満塁ホームランで同点に追いついた。結局、この試合は6対7でサヨナラ負けを喫したが、その粘りは群馬大会で活かされることに。1回戦の桐生市商戦は7回裏まで5点をリードされる苦しい展開。しかし、「相手のエラーをきっかけにヒットを重ねて逆転。6対5で勝つことができました。こうした試合後半の勝負強さは自分たちの長所です」と、新井主将は胸を張っている。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 俊足で守備範囲が広いうえ、ベンチプレス130kgの怪力でバッティングでもチームに貢献した神岡選手。新井主将は「今後もチームに勢いをつけて、勝利を引きよせるプレーをしてくれると思います」と、期待を寄せる。また、投打の両面で活躍した寺島 智紀投手をはじめ、小林 大晟選手、狩野 公佑選手、神戸 尚也選手らが、チームの浮沈のカギを握るキーマンとなりそうだ。

■この冬の意気込み!
 「スタミナ強化と個々の課題の克服をテーマに掲げて、このオフシーズンの練習に励んでいる群馬富岡。「冬は体力的にも技術的にも精神的にも一番成長できる時期だと考え、取り組んできました。自分自身の目標を実現できる春、夏の大会にしたいです」と、決意を語る新井主将。目指すは、まだ果たしたことのない甲子園初出場だ。

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[page_break:大量ビハインドも逆転できる打線が自慢]

大量ビハインドも逆転できる打線が自慢


トレーニングをこなす富岡高校の選手

 ここからは、群馬富岡高校野球部の小林 大晟副主将と熊井戸 勇磨副主将の二人にお話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください。

小林:個人としては、打撃の調子が悪い時、初球の甘いボールに対してバットを振っていけないところ。チームとしては、試合のなかで確認の声を掛けられず、事前の準備ができないところです。
熊井戸:チームの課題としては、秋季大会後の練習試合で自分たちが負けている時に、流れを持ってくることができなかったこと。秋の大会ではできていたことが、その後の練習試合ではできなかったので、春の大会に向けて逆境を跳ね返す力を付けていきたい。

Q.このオフシーズンの目標、強化してきたことを教えてください。

小林:体幹の強化と外野の守備を課題に取り組んできました。
熊井戸:1つ目はバッティング。前に突っ込んでボールを打ちにいってしまうクセがあるので軸で回れるようにし、スイングのスピードもより速くする。2つ目は二塁送球。ステップが正しく踏めないとボールが逸れてしまうので、正確な送球を確実にできるようにしたいです。

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

小林:打席でのフルスイングとバットの芯でボールを捉えたときのパワー。そして、チームを盛り上げる声です。
熊井戸:試合で声を出してチームメートの奮起を促し、全力で取り組んでいる姿を見てほしいです。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

小林:大会や練習試合を通して、試合の後半まで大きな得点差を付けられていても逆転できるところです。
熊井戸:バッティングは他のチームに引けをとりません。1本のヒットから、強打で畳み掛けることができます。

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

小林:スタジアムでホームランを打てるように頑張ります!
熊井戸:チームから「お前しかいない」と言われるようなキャッチャーになります!

小林選手、熊井戸選手、ありがとうございました!

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危機感とワクワクする気持ちの両方を持ってトレーニングを!


ランメニューに励む富岡高校の選手たち

 ここからは本多 博之部長にお話を伺いました!

Q. 新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 例年以上に目標設定を明確にしました。秋季西毛リーグでは決勝に進出して秋季大会のシード権を獲得すること。秋季群馬大会でも決勝まで勝ち上がり関東大会に出場することを強く意識させました。結果的に群馬大会は準々決勝で敗れてしまいましたが、公式戦の随所で粘り強く戦うことができたのは、こうした意識付けが奏功したからだと考えています。

Q. 冬の強化ポイントを教えてください。

 強豪校に負けないだけの身体作りはもちろん必要ですが、できる限り「野球」をやろうと考えてきました。現在の群馬富岡高校にとって、試合での勝利に必要な事は「もっと野球を知ること」だと考え、できる限り実戦に近い練習を多く取り入れてきました。守備であれば、投手は「どうすれば打者をより高い確率で打ち取ることができるのか」。野手は「どうすればより確実にアウトを取り、失点を防ぐことができるのか」を。攻撃であれば、打者だけでなく走者も「どうすれば1点でも多く取れるのか」を徹底的に追求する冬を目指してきました。

Q. 厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 冬のトレーニングが春、夏にどのような成果になって表れるかを常にイメージして、危機感を持つと同時にワクワクしてほしいです。そして、真剣に自分たちの弱いところと向き合って、少しでも強くなってほしい。心も身体も大きくなって、自信を持ってプレーできるようになれば、今まで以上に野球の「楽しみ」が見えてくると思います。頑張りましょう!

本多部長。そして、群馬富岡高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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