松坂大輔2世は卒業だ!髙田萌生(創志)が目指す投手像は?
松坂大輔2世は卒業だ!髙田萌生が目指す投手像とは?
髙田 萌生 (創志学園)
もうそろそろ松坂 大輔二世というフレーズは卒業すべきかもしれない。創志学園のエース・高田 萌生は、松坂 大輔の投球フォームを模倣したというのは、有名な話になった。
実際に髙田を初めて目にして、高田を三塁側から撮影したところ、その投球フォームは、まさに、松坂 大輔だった。
その髙田は、高校時代の松坂を上回る成長を見せようとしている。
松坂 大輔の最速は151キロ。これは1998年の夏、2回戦で鹿児島実戦で計測した数字だ。髙田の最速は岡山大会でなんと154キロを計測したのだ。しかもすっぽ抜けではなく、外角いっぱい。さらにこれだけではない。150キロ台のストレートがアウトローに決まっていくのだ。恐るべしとしかいいようがない。髙田は選抜後も、「150キロ以上の速球を投げたい」と口々にしていた。選抜での最速は149キロ。そう、簡単に出るものではないと思っていたが、あっさりと夏に150キロ超え。そこには彼の日々の努力が実ったといえるだろう。
髙田は150キロを投げるポイントは人差し指だと、以前のインタビューで語っている。
「ストレートも普通に握ってから最後に人差し指で押す。僕の中では人差し指が一番力がかかるので」
このコメントから感じるのは、ただ髙田は松坂のマネをするだけではなく、自分なりに試行錯誤をしながら、上達するためのヒントを見つけたことである。それを見つけたことで、髙田は変化球の切れも素晴らしい。130キロ前後のスライダーが打者の手元でぐっと曲がるのだ。さらにブレーキが利いたカーブ。
岡山大会では38回を投げてわずか3失点と抜群の安定感を見せ、春よりもスケールアップを見せている。初戦の相手は、強打で九州国際大付を破った盛岡大附に決まった。バントもしない強力打線。直球にも強いこの打線に対し、どんなピッチングを見せるのだろうか。
現在、日本の野球では投手の大型化が進んでいる。プロ野球では二刀流の大谷 翔平(インタビュー<1><2><3>)、阪神のエース格として活躍する藤浪 晋太郎と身長190センチを超える2人が活躍を見せ、そして今年の夏の甲子園に登場した196センチの長身右腕・アドゥワ 誠もドラフト候補に挙がっているように、高校野球でも大型投手は珍しくなくなってきた。髙田は178センチ75キロと突出した身長を持った選手ではない。しかしその高田は大型投手に負けない存在感、パワー、テクニックを持った投手なのである。
いずれは180センチ88キロとMLBでは決して大きくない体型ながらも、160キロ近い速球と多彩で、キレ味抜群の変化球を武器に、通算219勝をあげたペドロ・マルティネスのような投手を目指していいかもしれない。
それが具現化できた時、日本のペドロ・マルティネスと呼ばれてもおかしくないぐらいのポテンシャルを髙田 萌生には備わっている。
(文・河嶋 宗一)
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