第14回 徳島インディゴソックス・鈴木 康友コーチに10の質問 スペシャリストが語り尽くす「指導戦略論」【Vol.3】2017年10月01日

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【目次】
[1]攻撃で仕掛けるタイミングは「追い込まれてから」
[2]劣勢時には選手に「具体的シナリオ」を伝える
[3]緊張している場合には「目を見て話す」

緊張している場合には「目を見て話す」

Q8.戦略・ゲームプランの「伝え方」について

鈴木 康友ヘッドコーチ

――ここまで多様な戦略・ゲームプランを鈴木 康友コーチにはお話頂きましたが、このようなものを選手たちへ確実に伝えるために気を付けていることはありますか?「伝えるべきこと」「伝えてはいけないこと」の形で教えて頂ければ幸いです。

鈴木:選手は緊張していると何を言っても耳に入ってきません。ですから、そういうときは選手の目を見ます。僕が2007年から3年間、富山GRNサンダーバーズ(ルートインBCリーグ)で監督をしていた時は、緊張する場面では円陣で少し笑わせて緊張をほぐすとか、そういうことばかり考えてました(笑)

 それと、監督の采配で一番難しいのは投手の交代です。攻撃は1球、1球変わります。そういうことは全部教えていかないといけない。なぜカウントごとに変わるのかがわからないといけない。あれ、話それてますか?(笑)

――大丈夫です、続けてください(笑)

鈴木:富山時代の話をもう1つしましょう。両翼91メートルの狭い球場で左翼から凄いアゲインストの風が吹いている中での公式戦。僕はコントロールの良い先発投手に「全部インコースに投げろ」と伝えました。

 その投手はいつも2巡目、3巡目で捕まっていたんですが「この風みてみ!絶対ホームランないから」と伝えたら、相手打線はインコースの残像が3巡目、4巡目まで残って、結果4-0で完封した。

 他にも「相手はお金かけて富山まできて、中止の日も含めたら4泊5泊して、狭いビジネスホテルに泊まって、プレッシャーかかってるんだろうな」とか、そういうことを考えたり、 天候をみて、地面が柔らかいときは相手投手が嫌がりそうなバントをしてみるとか。

――話を戻しましょう(笑)

鈴木:そうですね。とにかく一番大事なのは「良いことを言っていても、伝わらなければ意味がない」ということなんです。ですので目とか耳をこっちに向かせる、理解させるためには普段の練習のときに成功例をいっぱい作っておくんです。

 守りや攻撃もそうですが、走塁のダブルスチールとかも成功例を作っていく。相手がミスしたところでしっかりできるかが、NPBの一流の選手との違い。一流の選手にはコーチがやんや言いません。選手同士で言い合っていますね。

 独立リーグ監督時代のエピソードも交えながら「伝わるようにする」ことの大事さを話してくれた鈴木 康友コーチ。最終回の第4回目では東北楽天ゴールデンイーグルス日本一の裏話と高校球児・指導者へ向けてのメッセージを紹介します!

(構成=寺下 友徳

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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