第37回 武田 翔太投手(宮崎日大-福岡ソフトバンクホークス)「成長のターニングポイントとなった大分遠征」【vol.2】2017年03月21日

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恩師が語るヒーローの高校時代 武田 翔太

【目次】
[1]きつい練習でも顔に出さず黙々と取り組める姿勢が武田にはあった
[2]成長の分岐点となった大分遠征
[3]屈辱の準々決勝敗退

武田 翔太投手(宮崎日大-福岡ソフトバンクホークス)「意識高く、練習を大切にする投手 右肩上がりの成長のかげに」【vol.1】

第2回では成長の分岐点となった大分遠征や最後の夏の大会の模様を追っていきます。

きつい練習でも顔に出さず黙々と取り組める姿勢が武田にはあった

「2年生の5月の大型連休の遠征でした。3試合を組んでいて最初の試合で大崩れし、1イニングで10点取られたことがありました。どんな投手でも年に1回ぐらいは相手の間合いに合ってしまったり、バットを振ったところにボールを投げてしまうことはあるもので、滅多に大崩れしたことのない武田もそうだったのでしょう。ただ私は『そんなことでエースが務まるか!』と頭にきて、次の試合はライトでフル出場、3試合目は最後の9回を投げろと命じました。投げて打った上に、最後の登板の準備で合間は走るという試練を課しても、彼は嫌な顔一つせずにこなしていました。

 試合で納得いかないことがあれば、ブルペンで投げ直すことはよくさせていましたが、彼は言われなくても自分でそうしていたようです。バッテリーノートは私もつけさせていましたが、彼はそれとは別の手帳を持っていて、自分の悪かったところ、つかんだものをしっかり書き留めていました。ブルペンで投げることは大好きで、自分の居場所のように思っていた。ブルペンを嫌がる投手で大成する投手はいないと思います。

 冬場のトレーニングはタイヤ押しなど身体を作るメニューが中心になりますが、一番きついメニューは多分『雑巾がけ』だったと思います。多分、武田に聞いても苦笑いするでしょう(笑)。校舎の中に端から端まで70メートルぐらいの廊下があって、そこを雑巾がけしながら往復する。雑巾を持っているから肩の筋肉も使う。ラグビーのスクラムのような姿勢で前進するわけですから、下半身も鍛えられる。原始的な方法かもしれませんが全身をまんべんなく使うので相当にきついです。私も試しにやってみましたが、1回でダウンしました(苦笑)。

 これを何往復もするわけですから、慣れない下級生は最初間違いなく吐きました。走り込みは、ダラダラと走るだけでは意味がありませんから、必ずタイムの目標を作っていました。学校の敷地は1キロちょっとありますが、武田の場合は水を入れたペットボトルを持って4分以内で走るのがノルマでした。長中短の様々なメニューを組み合わせて、トータルで1日5から10キロ走るような練習をしていました。

 ウエイトトレーニングはチームとして取り入れたことはありません。私は高校生のうちはナチュラルな力、打撃は打つことで、投球は投げることでつく力を重要視していたので、『筋肉の鎧』は必要ないと考えています。ウエイトをやるなら故障予防で、武田にも『上にいってからやればいい』とアドバイスしたことを覚えています」

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武田 翔太(宮崎日大) 【選手名鑑】
宮崎日大 【高校別データ】

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プロフィール

政純一郎
政 純一郎(つかさ・じゅんいちろう)
  • 生年月日 1974年12月18日
  • 出身地 鹿児島市
  • ■ 経歴
    鶴丸高校―同志社大
  • ■ 鹿児島新報で6年間スポーツ担当記者。2004年5月の同社廃刊後、独立
  • ■ 「スポーツかごんまNEWS」を立ち上げ、野球、バスケットボール、陸上、サッカーなど主に鹿児島のスポーツを取材執筆する。2010年4月より奄美新聞鹿児島支局長を兼務
  • ■ 著書に「地域スポーツに夢をのせて」(南方新社)「鹿実野球と久保克之」(同、久保氏と共著)
  • ■ Webでは「高校野球ドットコム」、書籍では「野球小僧」(白夜書房)「ホームラン」(廣済堂出版)「陸上競技マガジン」(ベースボールマガジン)「月刊トレーニングジャーナル」(ブックハウスHD)などに記事を寄稿している。
  • ■ 野球歴は中学から。高校時代は背番号11はもらうも、練習試合に代打で1打席、守備で1イニングの試合経験しかない。現在はマスターズ高校野球のチームに所属し、おじさんたちと甲子園の夢を追いかけている
  • ■ フルマラソンの自己ベスト記録は3時間18分49秒(2010年のいぶすき菜の花マラソンにて)。野球とマラソンと鹿児島をこよなく愛する「走るスポーツ記者」

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