県立鹿島高等学校(佐賀)
佐賀県内有数の進学校である県立佐賀鹿島高等学校は、来年で学校創立120年の伝統校。学校があるのは佐賀県鹿島市、旧鹿島鍋島藩の城跡ということで、校門にはそのまま鹿島城の城門が使用されています。
野球部は過去2回(1948年、1960年)夏の甲子園に出場。その1960年に出場したエースの宮崎 昭二氏(東映フライヤーズ–日拓ホームフライヤーズ–日本ハムファイターズ–阪神タイガース)はプロ入り後、通算38勝を挙げ、野球部にとっては偉大なOBです!
過去5年間での県大会の成績は、2013年秋は準優勝、2012年秋に4強、2013年春、2012年春(試合レポート)、2011年秋は8強と、常に上位に食い込んでいます。2013年秋の九州大会に出場しました。また、今年のチームも新人戦で優勝するなど実力は十分。
「いくぞ3度目の甲子園!」を合言葉に勉強に野球に励む、県立佐賀鹿島を主将の中島 遼太郎君に紹介していただきましょう!
チーム基本情報を紹介!
■ 佐賀鹿島高校の中島 遼太郎君(学年:3年/役職:主将)にお話をうかがいました!
Q. 部員は何人いますか?
1年生が21人、2年生が25人、3年生が26人の合計72人です!
Q. 平日の練習時間は何時から何時までですか?
16時45分から19時です!完全下校が19時15分なので、素早く動きます!
Q. これは忙しいですね!練習のグラウンド環境を教えてください。
校舎改築のため、学校のグランドが使用出来ません。そのため、[stadium]鹿島市民球場[/stadium]を借りて練習しています。移動距離は自転車で約10分です。
ますます大忙しですね…!
今年のチームについて
中島 遼太郎主将(県立鹿島高等学校)
Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。
「選手層の厚さ」「全員野球」そして「大所帯だからこそできる大応援」です!部員数は、昨年度ですが佐賀県で2番目に多いんですよ!
Q. 大応援団、迫力がありそうですね!では、夏へ向けてどんなことを課題において練習を行っていますか?
打力、得点力不足を痛感しています。攻撃の3要素といわれる、バンド、スチール、エンドランの精度を高めることが課題です。
Q. 春季大会を振り返ってみて、チームとして収穫や課題はありましたか?
ミスが重なり先制され、そのまま逆転出来ず逃げ切られてしまいました。チームの徹底事が徹底できず、ミスの多さで相手を上回ってしまったのがいけませんでした。
そこから練習を重ね、練習中に周りに向けて発言できる人が増えました。
Q. 反省を生かして練習に取り組んでいるのですね!長い歴史と伝統の中で、今の選手にも引き継がれている「行動」や「考え方」はありますか?
県下有数の進学校です。「文武連動」、勉強も野球も必ず繋がっている、をモットーに頑張っています。
先輩方も過去甲子園には夏2回出場しました。しかも2回目(1960年)はベスト4です!最近では、2013年秋と2007年夏の大会で準優勝。2013年秋には九州大会出場と実績も残しています。自分たちも「いくぞ3度目の甲子園!」を合い言葉に日々努力しています!
Q. 「文武連動」!良い言葉ですね。実績ある先輩方から教わることも多かったと思います。試合前に行う「恒例」となっているものはありますか?
選手全員で円陣を組み、手を繋いで黙想。それからみんなで声を出し、気持ちを高める、という事をしています。それと、練習後は決まって全員でストレッチです。
Q. 常に全員で行動を共にしているのですね。これから迎える夏、どういうものにしたいですか?
新チーム当初は新人戦で優勝し、秋の大会は優勝候補にも挙げられましたが、初戦敗退。春の大会も力を発揮できずに初戦敗退。この春季大会敗退後、3年生26名全員涙のミーティングを行い、チームとして本当に一つになれたと思います。
今までずっと結果を残せず辛く苦しかったので、この思いを全て夏にぶつけて、闘志をもって甲子園へ行き佐賀鹿島高校もやれるんだ!という姿を全国にみせつけたいです!
溝口 拓武選手(県立鹿島高等学校)
Q. 熱い思いが伝わってきました!ありがとうございます!では、このチームのキーマンを教えてください!
投手の3年からは溝口 拓武。1年時、秋の九州大会出場の原動力になった選手です。昨年もエースとして活躍したのですが、今年の冬に故障し、今リハビリ中。なんとか夏に間に合ってくれれば、と思います。
こちらも3年生、岡 大二。この選手も1年時から活躍し、九州大会も経験しています。なんといっても50mを6.0秒の俊足が持ち味の選手です!
2年生の4番、平方 壱生希。主砲ですが、投手もします。長打力があり県を代表する選手だと思います。中学時から注目をされていた選手です。岡と平方は身長も180cm以上あり、今後の活躍も楽しみな選手です!
もうひとり2年生から坂口 蒼。投手として可能性があり、現在ストレートのマックス137km/h。スライダーのキレも良い。制球に課題がありますが、その分坂口が伸びてくれれば大きな戦力になります。
4人の活躍に期待ですね!ありがとうございました!
ここからは、主将の中島 遼太郎君に加え、副主将の深村 拓弥君にもお話を伺います!
深村 拓弥副主将(県立鹿島高等学校)
Q. 高校野球のどんなところが好きですか?
中島 遼太郎(以下「中島」):多くの仲間と多くの時間を共にして、様々な壁にぶち当たりながら、乗り越え前に進んでいけるところ。また、高校野球を通して、野球のことだけではなく人として、とても大切なところを教えてくれるところ。
そして、僕が野球の一番好きなところは、仲間のミスをカバーできるところです!
深村 拓弥(以下「深村」):同じチームの仲間と同じ時間を共有することができ、一つのボールを全員で追いかけ勝利したときの喜びを分かち合えるところが好きです!
Q. 仲間も同じ方向を向けるというのが素敵ですね。一番好きな練習はなんですか?
中島:ノックです。
深村:自分はバッティング練習です。
Q. では、キツイと感じる練習はなんですか?
中島:タイヤ押しです。しかも普通のタイヤではなく、近くのバス会社から大型バスのスタッドレスタイヤをもらってトレーニングするんです。重くてキツいですが、瞬発力強化のためのトレーニングとして欠かせません。
深村:僕は体幹トレーニングですね。
Q. 体幹はじわじわ効きますよね。それにしても大型バスのタイヤはキツそうです。さて、引退までにこの高校と対戦してみたいという高校はどこですか?
中島:佐賀西高校です。秋の県大会でコールド負けをして、とても悔しい思いをしたので、この雪辱を果たしたいです。
深村:佐賀商です。現時点で県内で一番強いと思うからです!
Q. 一番好きな応援歌はなんですか?
中島:TOKIOの「自分のために」
深村:「We Will Rock You」
Q. それでは最後に、野球をする上でモットーにしている、好きな言葉はなんですか?
中島:「人間的成長なくして、技術の進歩なし」
深村:「練習は嘘をつかない」
ありがとうございました!
指導者が語る!このチームの強み
■大坪 慎一監督に質問!
Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どのようにチームを作り上げてきたのでしょうか?
昨夏のエース投手が残り、1年時に九州大会に出場した選手達が最終学年となりました。8月の大会で優勝し、「やれる」と思って望んだ秋の県大会で、まさかの初戦敗退。非常に苦しいスタートになりました。
一冬、懸命に頑張りました。冬休みには合宿もやりました。春の県大会も実力を発揮しきずに敗れ、本当にショックでした。私自身も選手達に申し訳なくなりました。
練習や練習試合ではできることが、本番で出せないもどかしさやメンタル面の弱さが目立ちます。なので、練習も本番を意識させ取り組んでいます。いろいろな資料なども用いて、ミーティングも例年になくやっています。
Q. 自分たちの良さや強さを知っているだけに、出し切れない、というのは悔しいですね。
チーム自体、力はもっていると思います。それが発揮できない、悔しさや、発揮させきれない所に大変苦しい思いです。
でも「諦めたら全てが終わる」ので、挑戦あるのみです!選手たちとともに、今、夏の大会に向けて全力で頑張っています。
お話をお聞かせいただき、ありがとうございました!全てを出し切れる夏になりますように!