U-18代表野手は浅野、松尾がやはり中心…。スーパーラウンドでは接戦を勝ち抜く野球ができるか?
浅野翔吾(高松商)
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米国・フロリダで行われている第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップに出場している高校日本代表は、オープニングラウンドを4勝1敗で終えた。スーパーラウンドを前に、これまでの野手陣を総括したい。
1番 浅野 翔吾(高松商) 14打数7安打 打率.500
2番 黒田 義信(九州国際大付) 10打数3安打 打率.300
3番 松尾 汐恩(大阪桐蔭) 15打数6安打 打率.400
4番 内海 優太(広島広陵)9打数4安打 打率.444
5番 渡部 海(智辯和歌山)11打数2安打 打率.182
6番 伊藤 櫂人(大阪桐蔭)14打数4安打 打率.286
7番 海老根 優大(大阪桐蔭)11打数2安打 打率.182
8番 光弘 帆高(履正社)13打数1安打 打率.077
9番 藤森 康淳(天理) 5打数2安打 打率.400
セカンド枠
赤堀 颯(聖光学院)8打数2安打 打率.250
鈴木 斗偉(山梨学院)4打数0安打 打率.000
外野手枠
控え捕手・リリーフ枠
<打撃陣>
当たっているのは、やはりスラッガー・浅野。メキシコ戦では特大本塁打を放っているが、浅野を起点に得点を挙げる試合が多い。対応力も高く、打線を勢いづける1番起用は、かなりハマっている。次世代の代表選考、打線を作り上げるときに大きな参考になるかもしれない。ただ、台湾戦の負傷が気になるところだ。
黒田もミートセンスがあり、しっかりと対応ができている。スイング軌道も無駄がなく、スーパーラウンド以降も、しぶい活躍が期待できる。
高校生No.1捕手の松尾は、対応力も高く、140キロ台の速球にもしっかりとついていくことができている。これから長打も期待できるだろう。
内海は木製バットに対応できていて、インサイドアウトのスイングができている。勝負強さも光り、パナマ戦ではサヨナラ犠飛を記録した。速球投手に対応できており、チャンスでの打撃に期待だ。
渡部はポテンシャルの高さからすれば、もっと数字を残してもおかしくない。夏の大会前、智辯和歌山の練習を見に行った時、木製バットで本塁打性の打球を連発していた。打席の構えもフラットになっているので、打席数を重ねれば、力強い打撃が披露できる。
伊藤も台湾戦で活躍を見せており、持ち味を発揮してきた。伊藤をどの打順に置くのかが鍵となりそうだ。
松尾汐恩(大阪桐蔭)
<守備面>
守備の要は松尾だ。盗塁阻止をマークするなど、抜群の強肩を披露した。キャッチングはもちろん、リード面でも投手陣の持ち味を存分に引き出している。
大阪桐蔭では三塁手だった伊藤は、一塁手の経験もあるため、一塁手としてもうまく守っている。馬淵監督は一塁手のポジションをかなり大事にしていて、その要求にしっかりと応えている。二塁手は打撃が良い藤森と、視野が広く、安定した守備を見せる赤堀との併用となるが、これは相手投手の兼ね合いを見ての起用となりそうだ。
ショートの光弘は、ここまで安定した守備を見せており、強肩で見ていて安心できる。
第4戦まで安定したが、劣勢になった途端、大きく崩れてしまった。台湾戦でも分かるように、今年の打線の力量を考えると2点程度だろう。そうなると守り勝つしかない。
外野手では海老根の守備が安定している。海老根はあまり打てていないが、守備面の貢献度が絶大なので、このまま起用して、持ち味を発揮してほしい。
まとめると
・浅野が起用できればスーパーラウンドでも1番打者として勢いづけたい
・松尾が攻守のキーマン
・二遊間は守備重視
・外野もやや乱れが見えたので、選手起用の再考を
となるのではないだろうか。
スーパーラウンドでもしぶとく接戦を勝ち抜く試合運びを期待したい。
(文=河嶋 宗一)