清宮 幸太郎選手 (早稲田実業)

清宮 幸太郎

球歴:早稲田実業

都道府県:東京

ポジション:中堅手, 一塁手

投打:右 / 左

身長:184.0 cm

体重:100.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(2016年7月10日)  啓明学園の先発・奈良井巧投手(3年)は右サイドから105キロ~110キロと速くない。まさに軟投派右腕。これでもかというぐらい遅い球で勝負する右腕である。  奈良井は自信を持って投じた緩いカーブは低めに決まった。これは簡単に打てない。しかし無心で振り抜いた清宮 幸太郎はこのカーブをすくい上げ、打球はライトポール際へ打ち込む高校通算51号本塁打となった。 緩いボールを打つのは反発力がないので、非常に難しい。いかに引き付けて自分のタイミングで打てるかが極めて重要になる。  身体が突っ込むことなく、しっかりと手元でボールを呼び込んで、ボールをうまく乗せて、ライナー性でライトスタンド前列に打ち込む本塁打は、あの大打者を思い出させた。そう、松井秀喜氏である。松井氏はああいう本塁打が多かった。まさに今日の清宮は松井氏を彷彿とさせる打ち方と打球だった。  これも足を上げすぎず、ほどよい足の上げ方で間合いを測ることができているのが1つ。以前は体勢が崩れて手首の返しが早い打撃になっていたが、今日の本塁打は緩いボールに対しても無意識ながらも体が突っ込まないので、自分のタイミングでボールを捉えることができているのだ。ミートポイントはばっちりで、やはりコンタクト能力はずば抜けている。
更新日時:2016.07.10

短評

観戦レポートより抜粋(2016年6月12日)  夏の大会もあと1か月を切った。早稲田実業九州学院桐光学園と対戦するという、豪華なカードである。 早稲田実業は1回表、4点を取られる苦しい立ち上がり。だが、1回裏、5番工藤の3ラン、3回裏には清宮幸太郎の適時二塁打で2点を返すなどですぐに逆転。だが九州学院も1点を返し、5対4と1点差に迫られるが、しかしこれに黙っていないのが清宮幸太郎だ。6回裏、逆転となる2ランホームラン。ライナー性でネットを直撃する豪快な2ランだった。  これで高校通算48本塁打目となった。やはり打球1つ1つが鋭い。また芯で捉えるコンタクト能力は改めてずば抜けていると実感する。  清宮は第1打席はインローの変化球を空振り三振に終わったが、第2打席以降は、中越え適時二塁打、右前安打、右越え本塁打と計4打数3安打4打点の大当たりであった。清宮の打撃を振り返ると、どのコースにもしっかりと打ち返せる。先週の佐倉との練習試合でも外角低めのゾーンを打ち返して左中間を破る二塁打を放ったように対応力は格段に良くなっている。高確率でコンタクトできているのは足の上げ方を変えた。そのきっかけは動画サイトで、自身の打撃フォームを何度も見直した。 「自分が打っている時と打てていない時と比べると結構バラバラだったので一定の打ち方ができるように心がけました」 と語るように足の上げ方はこの春からややすり足気味になった。これでボールが見やすくなったことで、どのコースにもコンタクトできるようになった。まだ調子の波はあるようだが、それでもしっかりと捉えることができているのはさすがといえる。本塁打を見ても、打ち損じをしないという点では同学年の打者と比べてもずば抜けている。 第3試合の早稲田実業vs桐光学園の一戦の注目は清宮と桐光学園のサブマリン・中川颯の対決である。公式戦ではなかなか実現しない対決に、ギャラリーも盛り上がっていた。第1打席、ストレートを捉え、あっという間に左中間を破る適時二塁打で先制。さらに3回裏の第2打席にも滞空時間の長い犠飛を打ち上げ、同点に追いついた。中川はサブマリンのため球速は110キロだ前後なのだが、それでも伸び上がるような軌道は打ち難い。それでもその軌道に合わせてしっかりとショットする清宮のコンタクト能力はずば抜けている。そして見せ場となったのは7回裏だ。  3対3の同点で、第4打席に入った清宮。投手はエースの中川である。中川はインコース低めへストレートを投じた。清宮はこれを救い上げて、ライトスタンドへ飛び込むホームランで勝ち越しに成功。これが通算49号本塁打となった。中川が投じたストレートは厳しい球種だった。清宮がこのコースを打てているのは、ベースからかなり離れて立っているため、インコースが窮屈にならないというのもあるが、左腕を上手く畳んでインサイドアウトで振り抜けるところだ。すくい上げるスイング軌道をする選手は結構ミスショットすることが多い。それを一撃必殺で仕留める清宮はやはり別格。インパクトの瞬間までヘッドが走った高速スイングで滞空時間の長いフライを打ち上げるところはまるで筒香嘉智を見ているようであった。  この勝ち越し点を早稲田実業バッテリーが守り抜いて、4対3で春の神奈川大会ベスト8の桐光学園に勝利。2試合とも逆転勝利。金子銀佑主将も、「最近の練習試合では逆転して勝利することが多く、自信になっています」と語るように、春の時と比べるとチームとして粘り強さが出ている。主砲の清宮は本塁打が注目されるが、あくまで「打点の延長」と語るように勝負所で1本を打てるかにこだわっている。
更新日時:2016.07.10

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