清水 優心選手 (九州国際大付)

清水 優心

球歴:九州国際大付

都道府県:福岡

ポジション:捕手

投打:右 / 右

身長:185.0 cm

体重:88.0 kg

学年:卒業

寸評

観戦レポートより抜粋(2014年7月6日)  今年、捕手という観点で見ると、NPBのスカウトから注目されているのは九州国際大附の清水 優心(ゆうし)である。山口県の周防大島出身で、186センチ85キロの大型捕手である。一発を打つ長打力もあり、そして目に留まるような強肩もある。コンタクトプレーが多い捕手というポジションで、体格が優れているというのは大きなアドバンテージだ。頑強な肉体をして、強肩強打の清水はまさにスカウト好みの逸材だろう。  グラウンドに立った姿を見ると、しっかりとストッキングの裾を上げているからスラリと見えて、動き自体に重苦しさはなく、意外にスマートな選手に見える。ただ他の選手に見比べれば、体格の大きさは一目瞭然だ。  その清水の見せ場はいきなり訪れた。1回表、二死二塁の場面で清水はこの夏初めての打席を迎えた。その打席で清水は低めの球を救い上げ、左中間スタンドへ飛び込む先制2ラン。凄まじい打球であった。  清水は前裁きで打つ選手だ。長距離打者はボールをギリギリに引きつけて打ちに行く選手は多いが、清水の場合、上体を高く構え、投手の足の下ろしに合わせて左足を高く上げる。彼のようなスラッガーの場合、着地してから始動を仕掛けていき、小さい動きで動く。トップを深く取っていきながら、フォロスルーまで豪快に振り切る。上体を高く構える選手は低めのボールを苦手とする傾向にあるが、清水は両膝をうまく伸縮させながら、ボールを捉えることができる。 ボールを飛ばす力は先輩の高城俊人(横浜DeNA)とひけをとらないだろう。ただ足を高く上げて、打ちに行く選手は目線の上下動が激しくなり、ミスショットにつながる。目線のブレを抑えられるようになると、さらに確実に捉えられるようになるだろう。  さて1.8秒~1.9秒と驚異的なタイムを記録とされるスローイングだが、二度図った限りでは2.09秒と2.13秒だった。とはいえスナップを利かせた送球は実に鋭い。さらにステップアップするためにも、以下の2つが良くなると、どんな俊足走者でも刺せるスローイングが出来るようになるだろう。 ・本塁から二塁ベースへ一直線に投げられるようなスローイング  刺せる捕手はいかなるときでも本塁から二塁ベースへ一直線にコントロールできるものである。二塁ベースへしっかりと投げることが出来れば、カバーに入った二塁手、遊撃手がロスなく、タッチが出来るので刺せる確率が高い。清水はまだ高めへ浮いたり、左へ流れることが多い。たまにではなく、いつでも投げられるコントロールを求めていきたい。

・下半身を使ったスローイングを  刺せる捕手は捕球してから送球するまでの両脚のステップが綺麗だ。清水の場合、肩の強さに頼って、下半身が綺麗に回らずに投げてしまうので、動作にロスが出てしまうので、タイムが2.09と越えてしまう。せっかくの強肩が勿体ない。だが未完成ながら、これだけのスローイングが出来るのはさらに伸びしろがあるということ。この試合の4回表に二死満塁の場面で、飛び出した一塁走者を牽制で刺したプレーがあった。その時は実に小回りが出来たスローイングで、コントロールも良かったので、良い形のスローイングを覚え込んでほしい。  チームを引っ張る意識が高いのか、投手がコントロールに苦しんでいる時は自らマウンドに駆け寄って、声をかけたりと、しっかりと投手を支えている意識が強い。我が強く、自己主張が強かった髙城 俊人と比べると、気遣いが出来る選手だろう。  この日は本塁打、四球、四球、遊撃内野安打(4.57秒)と2打数2安打2四球と上々のスタートで、詰め掛けていたNPBのスカウトに大きくアピールすることが出来ただろう。  これほど注目度が高ければ、この秋の指名候補に挙がるのは間違いない。攻守細かく見るとまだ荒削りな捕手だが、プロで専門的な指導をしっかりと受けて、大きな体をうまく使いこなす技術を身に付ければ、強肩強打の大型捕手に成長する可能性はあるだろう。
更新日時:2014.07.07

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