清水 優心選手 (九州国際大付)

寸評

　昨夏は1年生ながら、九州国際大付のマスクを被ってスタメン出場。早くも、プロ野球のスカウト達からも注目されている大物君。昨夏の1年生の時のプレーを見直し、レポートを作成したいと思います。 　 （第一印象） 　 　すでに1年生の頃から、3年生と混じっていても違和感のなくプレーしていました。そのためグランドにいるだけで、独特の雰囲気が伝わってきます。 （ディフェンス面） 　 　ミッをト示し、グラブは下に下げません。ただ腰を深くドテッと下ろしているので、次の動作へ移行が遅れがちだったり、ボールを小手先だけで捕りに行ってしまうのが気になります。地肩自体は強いと思いますが、素早く正確に送球するといった意味ではどうでしょうか。現状は、気遣い・インテリジェンス・注意力といった捕手センスに欠け、肉体の資質に頼った素材型。フットワークを生かしたプレーをすることから、まずは初めて行きたいところ。 　 （打撃内容） 　1年生の時から、上級生と対戦しても違和感なくヒットを放っていました。むしろ現状は、捕手としてよりも打者としての才能が目立っているのではないのでしょうか。 　 ＜構え＞　☆☆☆☆ 　　少しクローズ気味に構え、グリップを高めに添えた強打者スタイル。　背筋を伸ばし全体のバランスもよく、両目で前を見据える姿勢は平均的でしょうか。打席では、強打者としての威圧感が早くも備わっています。 　 ＜始動＞　遅すぎ 　 　一度ベース側に足を持って行き、本格的に動き出すのはリリース前後。このタイミングは、極めて遅い始動ということになります。ここまで遅いとボールが到達するまでに時間がないので、一定レベル以上の球速・キレのある投手への対応には戸惑います。 　 ＜下半身＞　☆☆☆ 　始動～着地までの「間」が殆どないので、どうしても打てるポイントが限られます。あらかじめ狙い球を絞っておかないと、どうしても対応できません。ベース側にインステップするので、外角を強く意識したスタイル。踏み込んだ足元がブレないので、外角の球や低めの球にはある程度ついて行けます。引っ張る打球が多いのですが、けして右方向に打てないわけではありません。 　 ＜上半身＞　☆☆☆ 　始動が遅すぎるのを、早めに打撃の準備である「トップ」を作ることで振り遅れを防ぎます。バットは体から離れて遠くから出てきがちですが、バットの先端であるヘッドは下がらないので、なんとかドアスイングにはなりません。 　 ＜軸＞　☆☆☆ 　足の上げ下げは小さいので、目線は大きくは動かず。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きくは崩れません。上半身の強い振りを、なんとか下半身で受け止めてスイング出来ています。

将来の可能性

　技術的には荒っぽいのですが、ボールを捉えるセンスは悪くありません。大きなスイングもしているので、長打が多い強打者タイプ。捕手としては身体能力に頼ったプレーが気になりますが、資質の高さは伺えます。あとは本人が、どのぐらい高い志しを持って取り組んで行けるのか、それによって将来も大きく変わって来るでしょう。最終学年では全国的に注目される存在になるでしょうから、それに恥じない技術と姿勢を身につけて欲しいと思います。今後の成長が、非常に楽しみな選手です。