試合レポート

市立尼崎vs福崎

2016.07.19

今大会初登板の辻井亮汰が14奪三振の完封劇!市立尼崎が4回戦に進出!

 大会10日目の[stadium]淡路佐野運動公園第一野球場[/stadium]の第二試合に登場したのは、ともに3日前に9得点を奪って初戦を突破し、3回戦進出を果たした福崎と第2シードの市立尼崎だ。

 福崎の先発投手は15日の相生戦で3安打2失点の完投勝利を収めた、エース・田村祥太郎(3年生)。後攻の市立尼崎が先発マウンドに送り出したのは今大会初登板となる背番号11の2年生右腕・辻井亮汰。この日、梅雨明けが発表された近畿地方。真夏の日差しがじりじりと照り付ける好天の下、午後13時15分、試合は始まった。

 

 2回裏、市尼崎は15日の試合で本塁打を放った先頭の4番・藤井倭(3年生)が敵失で出塁。5番・辻井の送りバントで二塁へ進塁後、6番・前田大輝主将(3年生)が一塁後方へポトリと落ちる内野安打を放ち、一死一、二塁の好機を作る。7番・谷尻尚紀(2年生)は三塁ファウルフライに倒れるも、8番・春田真宗(3年生)が右前へ痛烈なライナーをはじき返し、二塁走者の藤井が生還。1点を先制する。

 市立尼崎は6回裏にも先頭の殿谷小次郎(2年生)が四球で出塁すると、ボーク、送りバントで一死三塁の追加点のチャンスを作る。この場面、福崎内野陣の守備体系は前進守備。3番・三浦良裕(2年生)はセカンドゴロに倒れ、二死三塁となるが、4番・藤井が四球。続く、5番・辻井がレフトのライン際へ放った飛球にレフトの上野天士郎外野手が追いつきながらも落球。2者が生還し、市立尼崎が貴重な追加点を奪う。

 市立尼崎の先発・辻井は、伸びのあるストレートとキレ味抜群のスライダーを軸に福崎打線から三振の山を築きながら、終始、テンポのいい投球を展開。3点のリードをそのまま守り切り、チームを4回戦進出に導く完封勝利を収めた。与えた四球はわずか1つ。奪三振は14個を数えた。

 3回敗退となった福崎だが、積極果敢に打っていく力強い打撃には目を見張るものがあった。辻井に浴びせた安打数は市立尼崎の倍となる8本。3回には二死二、三塁、9回には一死二、三塁の好機を作ったが、あと一本が出なかった。先発の田村は持ち味である緩急を駆使した、打たせて取る投球を展開。市立尼崎打線のタイミングを巧みに外し続けたテクニックは秀逸だった。3失点はいずれも失策絡み。勝敗はどちらに転んでも不思議ではなかった。

 市立尼崎の次戦は21日、場所は[stadium]ほっともっとフィールド神戸[/stadium]。この日、宝塚東を7対0(7回コールド)で下したセンバツ出場校の長田とベスト16をかけ、対戦する。

(文=服部 健太郎

市立尼崎vs福崎 | 高校野球ドットコム
注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.15

西東京大会は激戦ブロックが続出!昨夏甲子園出場の日大三は国士舘と同ブロック!【2024年夏の甲子園】

2024.06.15

東東京の横綱に上り詰めた帝京、関東一の軌跡~前田三夫と小倉全由、2人の名将~【東西東京大会50周年物語③】

2024.06.15

【福島】日大東北がサヨナラ勝ち、帝京安積はコールド勝ちで4強入り<春季支部選手権大会>

2024.06.15

今年の東京は「スラッガー大豊作世代」! 超進学校に現れた「プロ入り明言」の二刀流、木製で本塁打量産の早実のスラッガーなどが夏を盛り上げる【注目選手リスト】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得