3回戦 八日市南 vs 比叡山

初スタメン選手の活躍で比叡山が7回コールド勝ち！次戦は近江と激突

＜第105回全国高校野球選手権滋賀大会：比叡山9－1八日市南＞◇21日◇3回戦◇マイネットスタジアム皇子山

比叡山が7回コールド勝ちで2年連続の8強入りを果たした。

比叡山の先発は背番号11の左腕・渡邉 煌多朗投手（2年）。「全体的にストレートが抜けることが多かったですが、スライダーでカウントを整えることができました」と1、2、4番が左打者の八日市南に対して左打者の外に逃げていくスライダーが有効だった。

渡邉の好投に応えたい比叡山打線は4回、無死一塁から6番・小田 陽内野手（3年）の右前安打で一、三塁にチャンスを広げる。正一塁手で主将の尾木 佑内野手（3年）が下半身のコンディション不良で欠場したことで今大会初スタメンに抜擢された選手だが、2打席連続安打と十分に穴を埋める働きを見せた。

この先制のチャンスで打席に立つのはこちらも今大会初スタメンの7番・綱嶋 快晟外野手（3年）。「ライト前に打とうという意識でした」と狙い通りに右前適時打を放ち、先制点を挙げる。

さらにその後、1死満塁から押し出し死球で1点を加えたところで八日市南はエースの小野 浩斗投手（3年）に代えて安田 彪馬投手（2年）をマウンドに送り込む。比叡山は安田に対しても併殺崩れと押し出し四球で2点を追加し、打者10人の猛攻でこの回に4点を奪った。

比叡山は5回にも猛攻を見せる。先頭の小田が3打席連続安打となる左前安打で出塁すると、続く綱嶋が右翼線への適時三塁打を放ち、1点を追加。その後も3番・青木 翔大内野手（2年）、4番・瓜坂 猛内野手（3年）の適時打などでリードを9点に広げた。

なおも1死一、三塁と比叡山のチャンスは続き、あと1点が入ればコールドゲーム成立というところで八日市南は中堅に回っていた小野を再びマウンドに送る。5番・福田 晴乃輔捕手（3年）に四球を与えて満塁となるが、「気持ちで投げようという感じでした」と絶体絶命の場面で渾身の投球を見せ、ここまで当たっている小田をスライダーで空振り三振に取る。続く綱嶋の当たりは一、二塁間を抜けそうな強い当たりのゴロになったが、二塁手・増穂 佑充内野手（2年）の好守でアウトにして5回コールドを阻止した。

すると、八日市南は6回、無死一塁から3番・堀井 尚斗内野手（3年）が左翼に適時二塁打を放ち、ついに1点を返す。だが、反撃もここまで。比叡山は渡邉が6回1失点と先発の役割を果たすと、7回は若林 達也外野手（3年）が無失点で締めて7回コールド勝ちを収めた。

今大会初スタメンの選手が結果を出して快勝した比叡山。「途中出場の子が結果を出したり、入れ替わった子がタイムリーを打ってくれたりとか、そういう意味では相乗効果を期待できると思います」と河畑成英監督は選手の活躍に目を細めていた。

準々決勝では近江と対戦する。昨夏は準決勝で激突し、5対6と惜敗を喫した因縁の相手だ。「リベンジに向けて頑張りたいと思います」と次戦に向けて決意を語った小田。昨年の先輩の無念を晴らして、8年ぶりの甲子園出場に前身することができるだろうか。

取材＝馬場 遼