太成学院大高vs扇町総合

選手層の厚み

　プロ注目の今村信貴を擁し、初戦を5回コールドで勝ち上がった太成学院大高とベンチ入り13名、半数が1，2年生という扇町総合の対戦。太成学院大高の先発は初戦5回10奪三振ノーヒットに抑えた今村ではなく、背番号10の若狭恭平。スリークオーターからの伸びのある速球とサイドからのツーシーム、スライダーが武器の本格派右腕である。太成学院大高は初戦からスタメンを4人変更。1番を打っていた岡原祐希を3番に、4番には初戦3番の橋爪太一を起用、1，2番にいずれも2年生の背番号17の岸本麻生、背番号15の河合将利を抜擢する。

　初回、2回と扇町総合先発の3年生岡野貴之がインコースを攻める強気のピッチングでその岸本、河合を抑え、3番岡原も三振に切って取るなど0点に抑える。

　対する若狭も負けてはいない。速球、スライダーが外一杯に決まり、1，2回を6人でピシャリと抑える。

　3回に試合が動く。太成学院大高は1アウト後9番須原恵弥が振り逃げで出塁すると、1番岸本がライトへタイムリー3ベース。2番河合もセンター前にタイムリー、3番岡原にも2ランホームランが飛び出し、4点を先制する。5回にも4番橋爪、5番若狭、6番海老谷、7番坂元の4連打などで5得点。6回にも打者一巡の猛攻で5得点を挙げ、試合を決定付ける。

　若狭も5回に扇町総合5番の1年生島本一にレフト前ヒットを打たれ、1回戦の今村に続くノーヒットノーランとはならなかったが、危なげないピッチングで1安打完封。太成学院大高は2試合連続のコールドで、3回戦へと駒をすすめた。

　太成学院大高は先発の若狭が好投、スタメン抜擢の岸本が3塁打と2塁打を放ち、河合もタイムリーを放つなど期待に応え、層の厚さを見せ付ける展開となった。今村を温存できたことで、今後の連戦にもかなりの手ごたえを感じたのではなかろうか。

　　扇町総合は選手全員が声を出し、全力でプレーしていたのが印象的。最後は暑さに少し足が止まるところもあり一方的な試合にはなってしまったが、唯一のヒットを放った島本をはじめ、半数が1，2年生。来年も頑張ってほしい。

（文＝編集部）