相洋vs作新学院
相洋が作新学院を破る!攻めの投球をし続けた2年生投手陣に打線が応える!
サヨナラ打に盛り上がる相洋
<春季高校野球関東大会:相洋5-4作新学院(延長11回タイブレーク)>◇20日◇2回戦◇サーティーフォー保土ヶ谷球場
この春、神奈川県大会で横浜、東海大相模を破って関東大会出場を決めた相洋。関東大会の初戦は今センバツベスト8の作新学院相手として不足はなかった。
両校に勝った経験がうまく生かされている試合だった。1回、作新学院は相洋の先発・大谷 祇人投手(2年)を攻め立て、無死満塁のチャンスから、相洋の遊撃手、小西 逸輝内野手(3年)がファンブルしてしまい、2点を失う。
小西は「走者と打球が重なってしまったのですが、そこで絶対にミスをしてはいけない場面でしたので、本当にやってしまったと思いました」と悔やんだ。だがそこで気落ちしないのが小西の強さだ。4回には反撃ののろしとなる本塁打で1点を返す。
先発の大谷は大量失点を許さなかった。相洋サイドとしてはエラーでの失点で大量失点も覚悟したそうだが、しっかりと粘りきった。
スリークォーターから投げる直球は135キロ前後で、スライダーのキレもよかった。5回まで4失点だったが、しっかりと捉えられた打球は少なく、5奪三振も記録して、持ち味を発揮していた。
6回から登板したのが左腕の中島 翔人投手(2年)。「県大会では不甲斐ない投球でしたので、フォームを見直していきました」。120キロ後半の速球と、曲がりが鋭い変化球を武器に作新学院打線を無失点に抑える好投を見せた。
バックも中島の力投に応え、好守備を披露。負けていても相洋の試合運びには「攻め」が見えた。チャンスをつかめば逆転できる雰囲気はあった。
そして3点ビハインドの9回、相洋はここまでの力投の作新学院の先発・市川 春之介投手(3年)を捉え、9番中島の適時打、そして押し出しと併殺崩れの間に追いつく。
10回から登板したのが大場 智仁投手(2年)。タイブレークの状況下からの登板だったが、しっかりと持ち味を発揮した。120キロ後半〜130キロ前半の直球に、100キロ台の大きく落ちるチェンジアップのコンビネーションで翻弄した。チェンジアップは直球と同じ腕の振りから投げ、更にゆるく大きく落ちる軌道で、初対戦の打者にとってはかなり厄介。作新学院の打者も苦労し、2回4奪三振の快投を見せた。
そして11回裏、2死三塁からチーム屈指の好打者である1番・永野 悟史内野手(3年)が打席に立つ。「2年生の投手がみんな頑張っていたので、絶対たちに決めてやろうと思って打席に入りました」。執念で捉えた打球は三遊間へ。俊足を飛ばして内野安打として、サヨナラ勝ちを決めた。
決定的なダメ押し点を与えなかった相洋の2年生投手陣が逆転勝ちを呼び込んだといっていいだろう。それに3年生が中心の守備陣が応える形となった。
この春、県大会では横浜、東海大相模、そして関東では作新学院と、甲子園常連校をいずれも破った。作新学院相手に2回4奪三振の好リリーフを見せた大場は「県で強豪校を抑えたことで、自分の球に自信が持てるようになり、しっかりと腕が振れていると思います」。勝利が相洋ナインを大きくしている。この快進撃はどこまで続くのか。
(記事=河嶋 宗一)