試合レポート

相洋vs作新学院

2023.05.20

相洋が作新学院を破る!攻めの投球をし続けた2年生投手陣に打線が応える!

相洋vs作新学院 | 高校野球ドットコム
サヨナラ打に盛り上がる相洋

<春季高校野球関東大会:相洋5-4作新学院(延長11回タイブレーク)>◇20日◇2回戦◇サーティーフォー保土ヶ谷球場

 この春、神奈川県大会で横浜東海大相模を破って関東大会出場を決めた相洋。関東大会の初戦は今センバツベスト8の作新学院相手として不足はなかった。

 両校に勝った経験がうまく生かされている試合だった。1回、作新学院は相洋の先発・大谷 祇人投手(2年)を攻め立て、無死満塁のチャンスから、相洋の遊撃手、小西 逸輝内野手(3年)がファンブルしてしまい、2点を失う。

 小西は「走者と打球が重なってしまったのですが、そこで絶対にミスをしてはいけない場面でしたので、本当にやってしまったと思いました」と悔やんだ。だがそこで気落ちしないのが小西の強さだ。4回には反撃ののろしとなる本塁打で1点を返す。

 先発の大谷は大量失点を許さなかった。相洋サイドとしてはエラーでの失点で大量失点も覚悟したそうだが、しっかりと粘りきった。

 スリークォーターから投げる直球は135キロ前後で、スライダーのキレもよかった。5回まで4失点だったが、しっかりと捉えられた打球は少なく、5奪三振も記録して、持ち味を発揮していた。

 6回から登板したのが左腕の中島 翔人投手(2年)。「県大会では不甲斐ない投球でしたので、フォームを見直していきました」。120キロ後半の速球と、曲がりが鋭い変化球を武器に作新学院打線を無失点に抑える好投を見せた。

 バックも中島の力投に応え、好守備を披露。負けていても相洋の試合運びには「攻め」が見えた。チャンスをつかめば逆転できる雰囲気はあった。

 そして3点ビハインドの9回、相洋はここまでの力投の作新学院の先発・市川 春之介投手(3年)を捉え、9番中島の適時打、そして押し出しと併殺崩れの間に追いつく。

 10回から登板したのが大場 智仁投手(2年)。タイブレークの状況下からの登板だったが、しっかりと持ち味を発揮した。120キロ後半〜130キロ前半の直球に、100キロ台の大きく落ちるチェンジアップのコンビネーションで翻弄した。チェンジアップは直球と同じ腕の振りから投げ、更にゆるく大きく落ちる軌道で、初対戦の打者にとってはかなり厄介。作新学院の打者も苦労し、2回4奪三振の快投を見せた。

 そして11回裏、2死三塁からチーム屈指の好打者である1番・永野 悟史内野手(3年)が打席に立つ。「2年生の投手がみんな頑張っていたので、絶対たちに決めてやろうと思って打席に入りました」。執念で捉えた打球は三遊間へ。俊足を飛ばして内野安打として、サヨナラ勝ちを決めた。

 決定的なダメ押し点を与えなかった相洋の2年生投手陣が逆転勝ちを呼び込んだといっていいだろう。それに3年生が中心の守備陣が応える形となった。

 この春、県大会では横浜東海大相模、そして関東では作新学院と、甲子園常連校をいずれも破った。作新学院相手に2回4奪三振の好リリーフを見せた大場は「県で強豪校を抑えたことで、自分の球に自信が持てるようになり、しっかりと腕が振れていると思います」。勝利が相洋ナインを大きくしている。この快進撃はどこまで続くのか。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.26

【福島】聖光学院が4連覇を達成<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉