試合レポート

松山聖陵vs川島

2018.11.01

松山聖陵、川島好右腕に迅速対応で2年連続センバツ王手!

松山聖陵vs川島 | 高校野球ドットコム
129球1失点5四死球13奪三振完投の平安山-陽(松山聖陵)

 130キロ前半ながらストレートは低めへのキレがあり、スライダーはさらにキレを持ってインコース・アウトコース低めへ流れる。そして2奪三振はいずれもスライダーを振っての空振り。「『これはいい投手だな。どうしようかな』と思いました」。松山聖陵・荷川取 秀明監督が本音を漏らすほど、選手15名の川島を秋季徳島県大会初優勝に導いた好右腕・細谷 海斗(2年・176センチ80キロ・阿波市立阿波中出身)の1回表は秀逸だった。

 ただ、困惑の中でも松山聖陵は的確かつ迅速に対応する。「ストライクゾーンを上げて絞っていけ」とベンチから指示を授かると「ランナーが出た後にボールが高くなって合わされてしまった」(山根 浩明監督)川島のスキもあり、2回表は二死二塁から「夏に一番努力をしてきたので、ここで使おうと思った」指揮官の7番スタメン抜擢に応えた湧川 輝星(2年・右翼手・166センチ62キロ・那覇ボーイズ<沖縄>出身)が右前先制適時打。その後、4連打で4点を奪って一気に試合の主導権を奪ってみせた。

 こうなると松山聖陵は抜群の強みを発揮する。公式戦初先発となった愛媛県大会3位決定戦で今治西を8回3失点に封じ、この試合でも先発を任された平安山 陽(1年・176センチ72キロ・右投右打・名護市立大宮中<沖縄>出身)も、最速136キロのストレートと110キロ台スライダーのコンビネーションが冴え、8回まで2安打5四死球無失点。最終回は先頭打者の5番・藤田 涼仁(1年・左翼手・173センチ64キロ・右投右打・阿波市立阿波中出身)に甘く入ったスライダーを左翼席に運ばれたが、後続を三者凡退で抑えて公式戦初完投。129球13奪三振と文句なしの出来であった。

 次の相手・富岡西を突破すれば2年連続センバツがほぼ手中に収まる松山聖陵。しかし荷川取監督は言う。「意識せず、準備をしっかりしていきたい」。平常心と謙虚さ、そして迅速な対応。青き縦じま集団は準決勝でもこの3種の神器を駆使して、目の前の試合に集中していく。

 

(文=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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