都立東大和南vs都立足立新田
試合前のアップ、シートノックから笑顔・拍手が絶えなかった都立東大和南がのびのび野球を展開し5回コールド勝ちした試合を振り返る。
笑顔でのびのび野球!15安打10得点をたたき出し5回コールド!
好投を見せる内山直大(都立東大和南)
ベンチ入り20人全員が腹の底から声を出し、笑顔でプレーし、いい悪い関係なくみんなで拍手する。これぞ高校野球だ!と言わんばかりのチーム・都立東大和南が雰囲気でも実力でも圧倒し都立足立新田を15安打10得点の5回コールドで快勝した。その試合を振り返っていこう。
1回表、先攻は都立足立新田。都立東大和南の先発は身体を丸めて沈みながら投球する変則左腕・内山 直大(3年)。球速はないが高低しっかり投げ分ける制球力を生かし初回を難なく無得点に抑える。裏の攻撃、都立東大和南は初回からエンジン全開。都立足立新田の先発はこちらも変則左腕の吉田 朋樹(3年)。都立東大和南は2番・村上 直也(2年)が右前に安打を放ち出塁、一死一塁から主将で3番・奥田 逸平(3年)が右中間へ二塁打を放ち1点先制。1対0とした。
3回表、都立足立新田の攻撃。二死二塁のチャンスで1番・里見 将太(3年)が中前へ安打を放ち、二塁走者の秋元敬希(3年)が本塁へ突入するも都立東大和南の中継プレーでタッチアウト。都立足立新田、好機を逃す。
続く3回裏、都立東大和南は打順良く1番・羽村 祥(3年)から。深々と右中間へ打球を放ち俊足を飛ばして三塁打になった。ここで都立足立新田バッテリーのミスで三塁走者・羽村がホームイン、2対0。2番・村上が二塁打を放ちチャンスメイク、再びバッテリーミスから村上は三塁へ、それを3番・奥田が左安打を放ち3対0、一塁走者が都立足立新田は3度目のバッテリーミスで二塁へ。
4番・木下 健竜(2年)の打順で二塁走者の奥田が三盗を試みた、暴投でレフトへ送球が転がる間に奥田がホームイン4対0とした。
「まだまだ取るぞ!」
「全部ランナー返すぞ!」
今日の都立東大和南はベンチからずっとその声があった。
チームを引っ張る奥田主将(都立東大和南)
この試合、都立足立新田に流れがいくことはなく都立東大和南は4回裏も6本の長打、単打を集め5得点。4回途中で都立足立新田は先発の吉田を諦め背番号11をつけた右の関口 成悟(3年)にスイッチするも流れを止めることができず9対0として都立東大和南が突き放しにかかる。この流れを止めたい都立足立新田だが勢いを止めることができず都立東大和南は5回裏も無死一、二塁とチャンスを作りこの日4安打目となる右前安打を2番・村上が放ち、二塁走者が生還。ここで10対0とコールドゲーム成立。都立東大和南が5回コールド15安打10得点で都立足立新田を下した。
完勝した都立東大和南の土井崇史監督は
「冬やってきたことをそのまま試合で出してくれたかな、選手にはいつも通りやるだけだよと伝えました」
監督のアドバイス通り、選手たちは自分たちの実力を思う存分に発揮した。この日4打点の奥田主将は「1500スイングの成果が出せました、狙い球は決めていなかったがフルスイングしました。ベンチの雰囲気も良くみんなで掴んだ勝利です!」と喜びのコメント。2安打完封の先発の内山も「自分の持ち味は出せました、相手の打ち気をそらせた投球ができました」と手応えをつかんでいた。
秋に続き、都立足立新田はらしさを出せずに敗退してしまった。かつては逆転の都立足立新田として数々の有力校に黒星をつけたチームだ。個々の能力はあるだけに、今後の巻き返しを期待したいチームだ。
勝った都立東大和南は3月21日12時半より好投手・村田 匠を擁する日大二と本大会出場をかけて激突する。好勝負になることは間違いない。
(文=高校野球ドットコム編集部)