試合レポート

阿南光vs池田辻

2022.03.29

高卒ドラフト候補左腕、阿南光の森山が、圧巻の大会タイ20奪三振で2試合連続完封!

阿南光vs池田辻 | 高校野球ドットコム
大会タイの20奪三振で2試合連続完封を飾った阿南光・森山 暁生(3年)

<第75回徳島県高校野球春季大会:阿南光5-0池田辻>◇29日◇準々決勝◇オロナミンC 

 

 現在、優勝校に与えられる地元開催・春季四国大会出場とセンバツで大阪桐蔭に健闘した鳴門とのチャレンジマッチ対戦権をかけて熱戦が続く大会で、分校化以前の辻時代を含め初のベスト8入りを果たした池田高等学校辻校(以下、池田辻)と、昨夏甲子園出場校の阿南光が対戦した。

 注目が集まったのは昨夏2年生で聖地のマウンドに立った182センチ、85キロの左腕・森山 暁生投手(3年)。初戦の徳島市立戦ではNPBスカウト10球団17人が見つめる中、自己最速を2キロ上回る146キロをマークし、125球6安打1四球14奪三振完封を飾った森山は、NPB7球団8人が詰め掛けた中1日の登板でも圧巻の内容を披露した。

 「打たせて取ることを意識した」中にあって直球の最速こそ142キロに留まったが「冬に精度を上げることに取り組んできた」多彩な変化球を低めに集めて、池田辻打線を全く寄せ付けず。5回までに4連続含む10三振を奪った後もペースは全く落ちず、終わってみれば137球6安打2四死球で2試合連続完封の快投だった。

 さらに6回以降も奪三振を10個積み上げた森山は、後にNTT四国(廃部)で10年連続都市対抗出場を果たした穴吹の右腕・滝下 茂信さんが徳島東工(現:徳島科学技術)戦で1975年に打ち立てた9回までの奪三振記録「20」に、47年ぶり並ぶ偉業も達成した。

 かくして某NPB球団スカウトも「立ち上がりが悪くても変化球を使って修正できる技を持っている」と指摘した対応力で、自らの評価をさらに上げたタフネス左腕は、「レベルの高い選手と一緒にプレーすることで、自分もよくなるだろうし、プロ入りにも近づくと思うのでぜひ選ばれたいと思っている」侍ジャパンU-18代表入りも見据え、中3日で迎える4月2日の準決勝でも左腕を振る覚悟である。

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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