Column

開幕1か月…高卒新人投手の現状を振り返る!

2016.05.07

 開幕から1か月が経った。高卒新人はまだ育成期間とはいえ、成績が気になるはず。今回はスタートを切った高卒新人投手のこれまでを振り返っていきたい。
※成績は5月1日現在

現段階は育成期間 実戦の活躍はこれからか


小笠原 慎之介(中日ドラゴンズ)

 昨年の高校生ナンバーワン左腕で中日ドラフト1位の小笠原慎之介関連記事。4試合に登板し、防御率6.19と苦しい投球を強いられている。16イニングを投げて12四球とやや多く、被安打15とほぼ1イニングに1本は打たれている計算となる。想像以上に苦しいスタートになっていることは間違いない。だが、このようにプロの壁を早く味わって、自分は何が武器なのか、活躍するためには何が必要なのかを考えていくことはとても大切だ。この苦しみを乗り越えて、大きくなれる投手だと信じている。

 今年のセ・リーグの高卒投手で二軍戦で公式戦登板している選手は、東京ヤクルトに3位指名された高橋奎二、そして阪神ドラフト4位の望月惇志と非常に少ない。その高橋は5月1日の横浜DeNA戦でプロ初先発プロ初登板を果たし、3回無失点3奪三振の好投。

 そして望月は高校時代最速140キロ後半を計測した速球投手で、プロ入り直後に成長を見せ、想像以上に早く実戦デビューをしているようだ。現在は2試合に登板し、防御率3.38、三振も3つ奪っている。2人とも上々の滑り出しを見せているといえるだろう。

このページのトップへ



成田 翔(千葉ロッテマリーンズ)

 読売ジャイアンツ3位指名の大型右腕・與那原大剛関連記事と6位の巽大介は、4月29日の富山GRNサンダーバーズ戦で登板した。與那原は1回無失点に抑えたが、巽は1回3失点とほろ苦いデビューとなっている。

 パ・リーグでは千葉ロッテのドラフト3位の成田翔関連記事、ドラフト5位の原嵩ともに二軍戦での登板はないが、成田も原も5月1日のフューチャーズ戦に実戦登板し、2人とも1回無失点に抑えている。またオリックスでは吉田凌が2試合に登板し、計2回で5失点とこちらもほろ苦いデビューとなっている。

 開幕1か月の動きを見ると、球団はじっくりと高卒ルーキーを育てているのが分かる。特に福岡ソフトバンク1位の高橋純平関連記事は二軍・三軍ともに登板なしなのだ。大きなケガをしているわけではないが、まずはプロでやれる体力をじっくりと身に付けている段階なのかもしれない。高橋純は昨年のドラフト前にインタビューした時も、まずはプロでやれるように焦らずにしっかりとやっていきたいと語っていたので、いずれ浮上してくると思う。

  振り返ると、高卒新人投手のスタートはやはりじっくりとしているもの。それを考えると、高卒1年目から登板していた二刀流で活躍していた大谷翔平(北海道日本ハムファイターズ)、松井裕樹(東北楽天関連記事>)藤浪晋太郎(阪神)などは別格の投手ということが分かる。

 しかし焦る必要はなく、投手陣の活躍はこれからになるだろう。1か月後にもまた定期報告としてこのコラムを掲載したいと思うので、楽しみにしていただきたい。

(文=河嶋 宗一


注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾は昨夏甲子園優勝バッテリーがスタメン!初回から4番・江戸 佑太郎の1発などで3点を先制!【香川招待試合】

2024.06.08

夏の神奈川に集った逸材野手20人! 横浜、東海大相模、桐光学園を中心に全国トップレベルが揃う【神奈川注目野手リスト】

2024.06.08

昨年春夏甲子園出場・北陸の卒業生進路 エースは筑波大へ! 早速公式戦で上々のデビュー

2024.06.08

慶應義塾が四国王者の高松商、英明に連勝!!<香川招待試合>

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得