【ドラフト1位特集】 高橋 純平投手の高校3年間の軌跡 (年表&123枚のフォトギャラリー付)
1年時からNPB各球団のスカウト陣から注目されていた高橋 純平投手は2015年10月22日のドラフト会議で3球団の競合の末、福岡ソフトバンクホークスが交渉権を獲得した。
そこで今回は年表と写真で彼の3年間の軌跡を辿りつつ、福岡ソフトバンクホークスに入団することが高橋にとってどれだけメリットがあるのかを述べてみたい。
高橋純平投手 高校3年間の年表
2013年春季東海大会
■2013年4月
岐阜県立岐阜商業高等学校 入学
■2013年5月
第60回春季東海地区高等学校野球大会 1回戦(対静岡)
リリーフ登板で最速145キロをマーク
■2013年7月
左足甲の疲労骨折のため夏の大会は未登板に終わるが、これを機にストレッチなど身体のケアにしっかりと取り組むようになる(チームは県ベスト4)
2014年春季東海大会
■2013年秋
「エース」を託される
■2014年5月
春季岐阜県大会準決勝(対岐阜各務野)で最速151キロに達する
■2014年5月
第61回春季東海地区高等学校野球大会 1回戦(対いなべ総合)
コールド負け(高橋は6回でマウンドを降りる)
当時の藤田監督に「このままじゃプロへいけないぞ」と言われる
2014年秋季東海大会
■2014年7月
岐阜大会準決勝敗退・・・新チームで主将に就任
■2014年8月
太田 郁夫コーチと出会い、二人三脚で脱力投法に取り組む
■2014年10月
第67回秋季東海地区高等学校野球大会 準決勝(対いなべ総合)では最速152キロを2度マークし延長10回を1失点完投
この大会を通じて計33イニングに登板、防御率0.27、奪三振35、2試合で完封を記録
選抜大会前の高橋 純平投手
■2015年1月
7日、中日・阪神・楽天・日本ハム・オリックスと5球団のスカウト陣が見つめる中初練習
第87回選抜高校野球大会出場が決定
■2015年2月
第87回選抜高校野球大会へ向けて意気込みを語る
選抜大会期間中の高橋 純平投手
■2015年3月
第87回選抜高校野球大会ベスト8
3試合に登板し計26イニングを投げ防御率1.73、奪三振26、与四球3
1回戦(対松商学園)、2回戦(対近江)は完投。2試合合わせて奪三振21、被安打5、与四球2で防御率は0.00を記録
準々決勝、強打の浦和学院戦では被安打11、失点5で敗退となったが与四球は1だった
■2015年7月
最後の夏は肉離れにより1試合登板(1回3分の2を投げ無失点)に終わる
U-18ワールドカップ・キューバ戦で登板する高橋 純平投手
■2015年8月
U-18代表に選出。第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ出場(クローザーとして3試合に登板し無失点に抑える)
■2015年9月
プロ志望届提出
■2015年10月
福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受ける
ギャラリーチェック!
高橋純平投手の活躍の写真を収めたギャラリー123枚をチェック!
福岡ソフトバンクの環境ならば高橋をスケール感たっぷりの“エース”にすることができる
高校3年間を一言で表す言葉は「感謝」(高橋 純平投手)
先日のドラフト会議では3球団の競合の末、福岡ソフトバンクホークスが交渉権を獲得。
高卒1年目から一軍での登板が期待されるが、福岡ソフトバンクホークスの投手陣は実にハイレベル。先発陣には今季13勝の武田 翔太、10勝を挙げたスタンリッジと攝津 正(関連コラム)、規定投球回に達し、9勝を挙げた中田 賢一、さらに9勝0敗負けなしのバンデンハークもいる。
ファームには10勝2敗、防御率1.66の好成績を挙げた岩嵜 翔、4勝ながら防御率2.05の東浜 巨(関連コラム)と顔ぶれを並べるだけでもすさまじい投手たちが揃う。非常に競争が激しいチームなのは一目瞭然だ。
その中で、高橋は一軍入りを勝ち取っていかなければならない。
高橋はドラフト前、「焦ることなく一歩ずつ前進をしていきたい」と語っていたが、まさにその通りである。いきなり背伸びをすることなく、まずはファームで確固たる実力を付けて欲しいと思う。福岡ソフトバンクは三軍制を敷いているので、将来を見据えると、高橋の実力を高めるには良い球団だろう。
なぜならこの「三軍」は独立リーグや、大学、社会人チームと主に試合を組んでおり、二軍ではどうしても中堅の選手の出場機会が多くなるが、三軍は高卒1年目の選手から実戦経験を積めるのだ。実戦力をつけるには絶好のシステムなのだ。また、二軍の本拠地は2016年の春に現在の[stadium]雁ノ巣球場[/stadium]から筑後市へ移転し「[stadium]HAWKS ベースボールパーク筑後[/stadium]」となり、環境面もさらに充実することになる。
福岡ソフトバンクホークスでは、千賀 滉大がプロ入り後10キロ近くスピードアップし、常時150キロ台を出すようになった例もあるように、入団後、球速が速くなった投手が多くいる。トレーニングのレベルは格段に上がり、投手としてのキャパシティを大きくすることができるのだ。
高橋は高校時代、ウエイトトレーニングなど専門的なトレーニングはあまり行わず、主にランニングメニューなどの基礎的なメニューで現在の投球スタイルを築いてきた。
今後はウエイトトレーニングなども始めると話していたが、福岡ソフトバンクホークスに入れば、一気にトレーニング環境が充実するので、高橋が課題にしていた「線の細さ」「体力不足」というのはすぐに改善できるだろう。新しい環境の下、高橋がどれだけスピードアップするのか、非常にワクワクさせられるものがある。
球団が期待しているのは、高橋が体力トレーニングや実勢経験などを積んでスケールが大きくなったとき、どんな凄味のある投球を見せてくれるか。その一点に尽きるだろう。
先日公開したインタビューの締めで「我々の想像を超える投手になっていくかもしれない」と記載したが、福岡ソフトバンクホークスはそんな投手を育成できる球団だと期待している。ぜひ福岡ソフトバンクホークスの、さらには”日本のエース”と呼ばれる投手になることを願っている。
(文=河嶋 宗一)
注目記事
・2015年ドラフト特設ページ
・2015年秋季大会特設ページ