富島(宮崎)縁の下の力持ちとしてチームから頼られる存在に!!
昨秋の宮崎県大会準優勝。そして九州大会準優勝で春・夏通じて初の甲子園出場となった宮崎県の富島高校。富島は5年前、部員数が少なく合同チームで大会に参加しており、グランドも練習できる状態ではなかった。しかしそこからチームは急成長して、5年で甲子園にたどり着いた。
そんなチームの選手たちを支えるマネージャーは日々どんなサポートをしているか。詳しいお話を聞きました。
日曜大工も大事な仕事
富島野球部を支えるマネージャーの4名と監督
現在の富島は部員数が32名(新2,3年生のみ)のチームである。そんな選手たちを新3年生の古嶋颯華さん・山田紗香さん、新2年生の黒木麻矢さん・河野かすみさんの計4名のマネージャーがサポートしている。
普段はどこの学校でもやっているタイム測定や、ボールを渡したり拭いたりといった練習中のサポート。また選手の身の回りのサポートとして冬の厳しい寒さの中でも洗濯をしたり米炊きをやったり、またアイシング作したりといったところまで日々こなしている。
その中でも他のチームにはない仕事がある。それは日曜大工である。破裂した水道の修理や浮き上がった床を直すといった作業である。どの作業も難しそうに思えるが、富島マネージャーの皆さんは簡単なものと感じているほど、作業は手慣れたものである。
それを裏付けるかのようにおすすめのマネージャーグッズを伺うと、工具が挙げられた。ペンなどの筆記用具関係が連想されやすい中で、一番最初に工具が挙げられるほど富島マネージャーの中では日曜大工は大事な作業であり、その作業に必要な工具は必須アイテムであることがうかがえる。
それだけではなく、選手がスムーズに練習を行えるよう常に気を張って動くように意識している。こうして心身ともに疲弊するような大変な作業が全てひと段落し、やりきったという達成感に浸る瞬間が一番楽しい時間だと挙げてくれた。
[page_break:縁の下の力持ちとして憧れの夏の甲子園へ]縁の下の力持ちとして憧れの夏の甲子園へ
頼られるマネージャーを目指して全員で仲良く頑張る!
そんな富島マネージャーを代表して、新3年生の山田紗香さんに詳しくお話しを伺いました!
中学時代は合唱部に所属していた山田さん。そこから野球部のマネージャーになろうと決心した理由は、お兄さんと弟さんが野球をやっている姿がカッコイイと思ったことがキッカケだった。さらに夏の甲子園を見ていて、行ってみたいと思ったことも理由であった。
日々大変な作業をこなしている山田さんだが、マネージャーという仕事を通じて迷惑をかけるような行動をしないように自覚を持てるようになった、と成長を感じていた。選手だけではなく、マネージャーも学校の代表として試合に向かう感覚が養われたのだろう。
マネージャー活動を通じて部員に怒られた時は挫折しかけると語る山田さんでしたが、試合で勝った時やありがとうと部員や監督に改めて言われると嬉しいと感じていると同時にやりがいを感じている。
部員からありがとうと言われる中で、印象に残っている瞬間があった。それは去年2017年の3月14日。ホワイトデーのことだった。
部員がマネージャーの部屋まで来て、「いつもありがとう」と言ってバレンタインデーのお返しをくれたことは泣きそうになるほど嬉しかったと語ってくれた。日々選手ために頑張って動いていたからこそ、感動したのだろう。
新3年生となり残りわずかとなった高校野球。どんなマネージャーになりたいか聞いてみると、頼られるマネージャーになりたいと答えてくれた山田さん。また、他の誰がマネージャーの頑張りを評価していなくても、チームはマネージャーの頑張りを分かっている、という言葉を選手や監督にかけられたことが心に残っていると教えてくれた。
マネージャーという存在を一言で語ると縁の下の力持ちと表現してくれている山田さん。富島マネージャーは、選手を陰から支える頼れるマネージャーとして、自分たちの頑張りを見てくれている仲間たちと夏の甲子園に行くため日々の練習に取り組む。
文=編集部