試合レポート

一関学院vs盛岡一

2022.07.24

雨にも負けず!投打かみ合ったノーシード一関学院が決勝進出

一関学院vs盛岡一 | 高校野球ドットコムトーナメント表
岩手大会の勝ち上がり

一関学院vs盛岡一 | 高校野球ドットコム大会の詳細・応援メッセージ
第104回 全国高等学校野球選手権 岩手大会

一関学院vs盛岡一 | 高校野球ドットコム選手名鑑情報はこちら
選手名鑑一覧ページ

一関学院vs盛岡一 | 高校野球ドットコム日程・結果一覧
岩手TOPページ
第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧

一関学院vs盛岡一 | 高校野球ドットコム気になる学校への応援メッセージはこちら
学校検索ページ

<第104回全国高校野球選手権岩手大会:一関学院7-0盛岡一>◇23日◇準決勝◇岩手県営

 9度の甲子園出場を誇る伝統校・盛岡一と、シード校を倒し勝ち上がってきた一関学院の一戦。勢いに乗る2校が、大雨が降り続き泥だらけになったグラウンドで、ユニホームを真っ黒にしながら熱戦を演じた。

 盛岡一の先発は、ここまで4試合すべてを一人で投げ抜いてきたエース藤平 聖生(3年)。初回、一死から連続四球を与えピンチを背負うもここをしのぐと、2回以降は立ち直り抜群の制球力を披露する。疲労が溜まる中、「私学を倒すために解禁した」というフォークを含む多彩な変化球を武器に6回まで0を連ねた。

 一方の一関学院は序盤から継投策に出る。1、2回は背番号20の左腕・高澤 奏大(1年)、3、4回は背番号11の右腕・寺尾 皇汰(2年)が毎回走者を出しながらも無失点で切り抜けた。すると5回、昨夏の優勝校・盛岡大附戦で7回無失点と好投したアンダースロー右腕・小野 涼介(2年)がマウンドへ。小野涼も5、6回とピンチを背負ったが、100~110キロ台の球で相手打者を翻弄し0に抑えた。

 雨脚が強まる中、今大会ここまで9本塁打をマークしている一関学院の強力打線が息を吹き返す。7回、主将・小松 大樹(3年)の安打から好機をつくると、敵失で先制。8回には無死二塁で4番・後藤 叶翔(3年)が犠打で走者を進め、5番・小野 唯斗(2年)が貴重な犠飛を放った。打席に入る前、高橋滋監督から「任せた」と声をかけられた小野唯。初球から思い切り振り抜き、期待に応えた。投手が代わった9回にはその小野唯が雨を切り裂く2ランを放つなど5得点を奪い、試合を決定づけた。

 小野涼は8回に約45分の中断があったもののペースを乱さず、最後まで0を連ねた。「雨でボールが滑るので、一球ずつ丁寧に投げた。ピンチでも落ち着いて投げることができた」。冷静な2年生が決勝進出に大きく貢献した。

 一関学院は2年前の県大会で優勝するも、その年は新型コロナの影響で夏の甲子園は開催されなかった。「2年前や去年のメンバーの思いも背負い、このチームで甲子園の土を踏みたい」。高橋監督は力強くそう言い放った。

 敗れた盛岡一も、公立で唯一4強入りし、伝統校らしい戦いぶりを見せた。中でも、チームを引っ張ってきたエース藤平は、この日も8回2失点と力投。試合後の取材では大粒の涙を流したが、「3年間やってきたものは出せた。最後に県営球場で終われてよかった」とやり切った表情だった。

 [stadium]岩手県営野球場[/stadium]で行われる夏の大会は、あと決勝の1試合を残すのみ。最後にどんな歴史が刻まれるのか。2日後の岩手からも目が離せない。

(文=川浪 康太郎)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.02

福岡に逸材現る! ケガから復帰後即144キロ! 沖学園2年生エース・川畑秀輔に注目だ!

2024.06.02

【中国】倉敷商が13年ぶり、尾道は12年ぶりの決勝へ<春季地区大会>

2024.06.03

26人もの新入生が入部した都立杉並は夏の台風の目になるか!? OBの母校訪問で部員不足の都立高の未来に一石

2024.06.03

【鹿児島NHK選抜大会】神村学園が2年生バッテリーの活躍で優勝

2024.06.02

新戦力の台頭なく苦戦が続く楽天、ドライチ・古謝に希望の光!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.29

【宮崎】延岡学園と日章学園がともにタイブレークを制して4強入り<県選手権大会>

2024.05.28

【佐賀】佐賀商と龍谷が、ともにコールド勝ちで決勝へ<NHK杯>

2024.05.28

【鹿児島】鹿児島玉龍と樟南が8強へ<NHK旗>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得