木更津総合vs千葉日大一
木更津総合、盤石な投手陣を目指し、4人の継投リレーで初戦突破！
木更津総合といえば、打撃力がウリのチーム。今年もその伝統は引き継いでいるのだが、投手の活躍が目立った試合となった。
3回無失点の3番手・鈴木健矢（木更津総合）
まず2回裏、木更津総合は4番檜村 篤史（2年）が中前安打を放つと、5番小池 航貴の死球で、無死一、二塁とする。続く6番石井の安打で無死満塁のチャンスを作ると、7番礒貝 友也（2年）の犠飛で1点を先制。さらに8番大熊 啓夢（1年）の右前適時打で、2対0。一死一、三塁となって、9番大澤 翔（1年）の犠飛で、3対0。1番神山 卓也（2年）が右中間を破る適時二塁打で4対0。4点を先制する。
先発の大熊 啓夢は真っ向から振り下ろすオーバーハンドから、130キロ前後の直球で3回二死まで4奪三振を奪ったが、千葉日大一2番の小川 康作（2年）に四球を与えたところで、木更津総合は投手交代。左腕の武田 大慶（1年）が登板する。
武田は投げるたびに吠える力投型の投手。投球フォームはテークバックを大きく取ったオーバーハンドで常時130キロ前後（最速131キロ）の直球、スライダーを投げ分ける投球スタイルだ。しかしこの試合では肝心の直球が浮いてしまい、3回表こそ無得点で終えたが4回表に5安打を打たれ、一気に3点を失う。
投げるボール自体は悪くないので、あとは周りを見る余裕を持ちながら、丁寧に抑える投球を求めていきたい。
1点差まで追い上げられた木更津総合は4回裏、押し出し四球で1点を追加し、5対3に。5回表からは3番手で鈴木 健矢（2年）が登板。鈴木は右横手から常時120キロ後半～132キロの直球に、115キロ前後を計測するスライダーのコンビネーションで勝負する。特にこのスライダーは打者の手元で急激に曲がる軌道なので、相当打ちにくく、勢いがあった千葉日大一打線は沈黙。鈴木は3イニングを投げ、無失点に抑えマウンドを降りた。
2回4奪三振の快投・早川隆久（木更津総合）
木更津総合は8回表から左腕・早川 隆久（1年）が登板。今まで投げた3人と比べると全く力みがない腕の振りから投げ込む。このフォームから常時130キロ～133キロの速球を投げ込むと、球速表示以上にキレを感じさせ、90キロ台のカーブ、110キロ台のスライダーを織り交ぜ2三振を奪う。
投手陣の好投に早く援護の追加点がほしい木更津総合は8回裏、一死一塁から神山の適時二塁打で1点を追加し、暴投で三塁まで進むと、2番木戸 涼（2年）の犠飛で7対3と点差を広げ、早川に援護点をプレゼント。
そして9回表、早川は2三振を奪い、2イニングを投げて4奪三振の快投で、試合を締め、木更津総合が2回戦進出を決めた。
近年、木更津総合は打線が目立っていたが、この試合は投手陣の潜在能力の高さを発揮した試合となった。木更津総合は投手が5人ベンチ入りしているが、背番号1の三石 和希（1年）以外が登板を果たした。
登板した投手のほとんどが夏を経験していない投手ばかりだが、4人とも能力が高く、さらに登板を重ねて、成長を促すことが出来れば、千葉県内ではトップレベルの投手陣と評される可能性を持っている。
伝統の強力打線に加え、投手陣が整備できた時、木更津総合にとり4年ぶりの関東大会出場が近づいていくことだろう。
（文＝河嶋 宗一）
