阪神・佐藤輝、軟式で豪快な2本塁打を甲子園で披露 野球を楽しむ大切さ語る
佐藤輝明選手
阪神・佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)が11日、甲子園で開催されていたMIZUNO DREAM CUP Junior Tournament FINALラウンド(以下、ドリームカップ)の閉会式に出席。閉会式では一言挨拶をすると、メダル授与やドリームカップで甲子園に来ていた参加8チーム、さらに応援に駆け付けた箕面自由学園の吹奏楽部とも記念撮影をした。
間近で会った選手によると「雰囲気が凄かった」とオーラに圧倒されているようだったが、当の佐藤は記念撮影の合間には楽しく話していたり、ホームランを打った時にベンチで見せていた「Zポーズ」で撮影をするなど、子どもたちとの交流を楽しんでいた。
閉会式後に行われた囲み取材でも「楽しそうでしたし、喜んで写真を撮ってくれて良かったです」と少し安心した様子。同時に「自分の小さい頃を思い出すところもあった」と、野球好きだった自身の小学生の頃に思いをはせていた。
「ものすごく喜んだり、泣くことはなかったです。けど、純粋に野球を楽しんでいるところはありました」
小学生の時と変わらず、今もなお野球を楽しむことを大事にしているという。だからこそ「今回の『楽しむ』という大会コンセプトだったり、ほめてあげるのは素晴らしいことだと思います」とコメント。そのうえで、野球を楽しむことへの重要性について、「少年野球の時に野球の楽しさを味わうことがあれば、そこから先の野球継続に繋がると思います」と今後の野球界のためにも必要なことだと話した。
小学生くらいの年齢は、周りからのプレッシャーに敏感になりやすく委縮しやすい。また夢や目標を実現するためにはきつい練習、厳しい指摘を受けることは避けて通れない。特にオフシーズンは、次のシーズンに向けて鍛錬を重ねる以上、野球を楽しむ余裕はない。
記念撮影をする佐藤輝明選手
佐藤も「苦しい練習はしない方がいいですよ」ときっぱり語った。が、続けてこうも話した。
「自分にとって必要だと思う練習は苦しいとは思わないと考えています。だから、今の自分にとって必要だと思うことをやればいいんじゃないでしょうか。そうした信念を貫くなかで怒られるのはいいと思います。周りのことを気にせずに、自分のことに集中すれば、結果的に良くなると思っています」
小学生の時には肘を怪我し、高校では甲子園に手が届かなかった。プロ入りするまでに苦しかった時間の方が長かったのではないだろうか。それでも「野球を楽しむ」ことを貫いたから、幼いころ好きな場所だったという甲子園で、今は阪神のユニホームに袖を通し、さらには日の丸を背負うスラッガーまで至った。
ホームランチャレンジでは、軟式ながら2本のホームランを放って球場を沸かせるのみならず、選手からの質問コーナーでは学生時代のエピソードや、現在の打撃理論を丁寧に答えた。まさにプロ野球選手として多くのファンに夢を与えていた。退場する瞬間に選手たちの輝いた目や、スタンドのファンからの声援の大きさがそれを物語っていた。
今後も「良いプレーで夢を与えるのが一番だと思うので、しっかりやりたいです」と憧れの存在として、2023年も活躍することを誓った。2023年も甲子園で豪快なスイングで数多くの子どもたちに夢を与えつつ、自身が大切にしてきた野球の楽しさを伝えてほしい。