初本塁打を記録した渡部、若林、ブランドンなど野手が躍動する今年の埼玉西武のルーキーたち
左から、若林 楽人、渡部 健人、山村 崇嘉
セ・パ交流戦が終了し各チームとも65試合ほどを消化した。もう少しでシーズンの折返しとなるこの時期までに、多くの新人選手たちが一軍デビューを飾っている。
佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)に目が行くが、その他の選手たちはどのような状況なのだろうか。各チームの新人選手たちのここまでを振り返ってみたい。
西武は支配下ドラフトで指名した大卒の野手3人がすでに一軍デビューを果たし、なおかつ初本塁打も記録している。西武の新人3人が1年目に本塁打を記録したのは1981年の石毛 宏典、岡村 隆則、広橋 公寿以来40年ぶりの快挙でもあった。
なかでも目覚ましい活躍を見せたのが、ドラフト4位の若林 楽人(駒大苫小牧高→駒沢大)だ。開幕一軍を勝ち取った若林は、44試合の出場で打率.278(144打数40安打)もさることながら20盗塁を決め、リードオフマンに定着していた。しかし、セ・パ交流戦中に「左膝前十字靱帯損傷」の大怪我を負い離脱した。
ドラフト1位の渡部 健人(横浜商大高→日本ウェルネス高→桐蔭横浜大)はデビュー戦で初本塁打を記録するも、一軍での出場は6試合のみにとどまっている。一方の二軍では43試合の出場で11本塁打、32打点はリーグトップと格の違いを見せ、フレッシュオールスターゲームの出場を勝ち取った。
ドラフト6位のタイシンガー・ブランドン・大河(石川高→東農大北海道オホーツク)は、開幕一軍入りを果たすと出場4試合目で初安打初本塁打を記録した。現在は二軍で汗を流しているが、28試合の出場で打率.348(92打数32安打)、4本塁打 と打撃面でアピールを続けている。
高卒野手であるドラフト3位の山村 崇嘉(東海大相模高)、ドラフト7位の仲三河 優太(大阪桐蔭高)は二軍で汗を流している。いずれも出場機会は多く与えられており、期待値は高そうだ。
投手陣ではドラフト2位の佐々木 健(木造高→富士大→NTT東日本)と育成5位の水上 由伸(帝京三高→四国学院大)が一軍出場を果たした。
なかでも育成指名から支配下登録を勝ち取った水上は、すでにホールドもマークしている。中継ぎ陣が不安な状況だけに結果を残し続ければ、勝ちパターンに名を連ねることもありえそうだ。
準硬式野球出身であるドラフト5位の大曲 錬(西日本短大付属高→福岡大(準硬式))は、二軍で防御率6.20と苦しんでいる。
<2020年ドラフト指名選手>
※育成ドラフトは支配下登録された選手のみ
1位:渡部 健人(横浜商大高→日本ウェルネス高→桐蔭横浜大)
[一軍]6試合 打率.063(16打数1安打) 1本塁打 2打点
[二軍]43試合 打率.252(147打数37安打) 11本塁打 32打点
2位:佐々木 健(木造高→富士大→NTT東日本)
[一軍]3試合(7.2回) 0勝0敗 防御率5.87
[二軍]5試合(11.1回) 1勝1敗 防御率6.35
3位:山村 崇嘉(東海大相模高)
[一軍]出場なし
[二軍]51試合 打率.214(173打数37安打) 2本塁打 18打点
4位:若林 楽人(駒大苫小牧高→駒沢大)
[一軍]44試合 打率.278(144打数40安打) 2本塁打 10打点
[二軍]出場なし
5位:大曲 錬(西日本短大付属高→福岡大(準硬式))
[一軍]出場なし
[二軍]14試合(24.2回) 0勝2敗1S 防御率6.20
6位:タイシンガー・ブランドン・大河(石川高→東農大北海道オホーツク)
[一軍]11試合 打率.167(18打数3安打) 1本塁打 4打点
[二軍]28試合 打率.348(92打数32安打) 4本塁打 14打点
7位:仲三河 優太(大阪桐蔭高)
[一軍]出場なし
[二軍]45試合 打率.201(134打数27安打) 0本塁打 13打点
育成5位:水上 由伸(帝京三高→四国学院大)
[一軍]3試合(3回) 0勝0敗1H 防御率0.00
[二軍]18試合(17.2回) 0勝2敗 防御率5.60
※数字は2021年6月24日終了時点
(記事:勝田 聡)