ドラ1候補・早川、200センチ左腕・今西などプロ志望の早稲田大トリオに対し、小宮山悟監督が求めること
左から瀧澤虎太朗、早川隆久、今西拓弥
早稲田大のエース・早川隆久(木更津総合出身)、今西拓弥(広島広陵出身)、瀧澤虎太朗(山梨学院出身)の3名はプロ志望。今回はこの3名に今年の決意や、元プロの小宮山悟監督に3人の評価を聞いた。
今や日本代表候補のエース左腕へ成長した早川。大学3年から指導している小宮山悟監督は昨年、「能力の高さに対し、結果が伴っていない」と指摘し、データを踏み込んだ振り返りなどを技術面、取り組み面のアドバイスを行った。早川も小宮山監督の指導を吸収しながら、変化球の研究、配球面の工夫を重ね、昨年は二季合わせて5勝、104奪三振をマーク。高校時代に続いて、大学代表に選出され、今ではドラフト1位候補へ成長した。
そんな現状について小宮山監督は「間違いなくドラフトでも1位クラスに上がる可能性を持った投手でしょう。少しずつ成長は見せています。ただ即戦力として活躍できるかといえば、まだまだ。この1年はプロで活躍できるための土台を作る期間。球団のコーチによってリクエストも違いますので、そのリクエストに対応できるところも教えています」と語る。
早川はこれまでのプロ相手の登板を通して、「最初は力で行き過ぎるところはあったんですけど、コントロール重視の投球に切り替えて、良い感覚できています」と手応えは感じている様子。27日のシート打撃でも威力ある速球を投げ込んでいた。
身長200センチの大型左腕・今西は、自分にあったフォームをこの4年間で見つけ、今年は常時140キロ台の速球を投げ込むなど好調をアピール。小宮山監督は「あれほどの体格なので、あれこれいじりすぎると技術を崩してしまうので、特に指導はしていません。彼の課題はメンタル。思い通りに行かないときに何もできないことが多い。そこを我慢して投げられるかが課題でしょう」と注文をつける。小宮山監督の指摘に対し、今西は「そのとおりだと思いますし、それができなかったのは昨秋でした。だから今年は実戦になればフォームのことを考えず投げられるようになりたい」と、技術、精神面も充実させてキャリアハイのシーズンにするつもりだ。
昨年、ホームスチールを決めるなど身体能力の高さが売りの瀧澤は巨人の二軍戦で2本塁打を放ち、注目を浴びている。「あの試合までは不調だったのですが、トップからインパクトまで無駄のないスイング軌道を心がけた結果、2本塁打を打てました。自分にとっては大事な試合でしたので嬉しかったです」と活躍を振り返る。だが小宮山監督の評価は厳しい。「打撃は良いものはありますし、走塁、守備も決してレベルが低いわけではない。ただ、全体的にプロでも売りになれると判断されなければ、厳しいと見ています」と、いかに自分をアピールできるかが大事となる。そんな瀧澤の目標は首位打者だ。
11日の通常開催・開幕を目指して調整を続けていた東京六大学だが、現在の社会情勢により、すんなりと開幕できる状況ではなくなっている。それでも早稲田大の選手たちは来る開幕に向けて調整をするだけだ。
(取材=河嶋宗一)
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