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大阪2強など強豪校が勢ぞろい!激戦の近畿大会を勝ち抜くのは?

2018.10.20

 20日から開幕する平成30年度秋季近畿地区高等学校野球大会の組み合わせが16日に決まった。今年は兵庫県の[stadium]ほっともっとフィールド神戸[/stadium]で行われ、各府県の大会を勝ち上がった16チームが出場する。日本一の激戦区ともいえる近畿大会の展望を行っていきたい。

 

経験豊富な4校のポイント

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大阪桐蔭の選手たち

 近畿地区からのセンバツ出場枠は6。1つの府県から3校が4強入りしない限りは上位4校が当確となるだけに、まずはどのチームも準決勝進出が一つの目標となる。

 強豪がそろう近畿だが、履正社大阪桐蔭の大阪2強に昨年からの主力が多く残る智辯和歌山近江が戦力的には優位に立つ。

 秋の大阪大会を制した履正社は投打ともに力がある。エース左腕の清水大成(2年)と大阪大会決勝で大阪桐蔭を2失点に抑えた右腕の植木佑斗(2年)の2枚看板で盤石の態勢。打撃陣も中軸を打つ小深田大地(1年)や井上広大(2年)に一発があり、相手にとっては脅威となる。2年ぶりの近畿大会制覇は極めて現実的な目標となるだろう。

 甲子園3連覇を目指す大阪桐蔭西野力矢(1年)と船曳烈士(1年)の3、4番コンビが大阪大会で打ちまくった。彼らの前にランナーを溜められるかがカギとなるだろう。打線が強力な一方で投手陣は完投能力のある投手がおらず、継投になることが予想される。上手く投手を繋いで、最少失点に抑えていきたいところだ。

 4季連続の甲子園出場を狙う智辯和歌山は昨年からの主力が多く残っている。細川凌平(1年)、西川晋太郎(2年)、黒川史陽(2年)、東妻純平(2年)、根来塁(2年)と並ぶ打線は全国でもトップクラス。智辯和歌山大阪桐蔭が初戦を突破すれば、準々決勝で両校が激突する。もし対決することになれば大会の行方を大きく左右することになるだろう。

 夏の甲子園8強の近江はチェンジアップが武器の左腕・林優樹(2年)と巧みなリードが光る有馬諒(2年)の黄金バッテリーを擁する。野手にも夏の甲子園で大会最高打率を更新した住谷湧也(2年)や福井国体で活躍した土田龍空(1年)などタレントが揃っており、スキの少ないチームを構成してきた。

[page_break兵庫、京都、奈良勢にも注目!]

兵庫、京都、奈良勢にも注目!

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大阪偕星学園や報徳学園など見逃せないチームも多数

 昨年は全て初戦で敗退してしまった兵庫県勢だが、今年は地元開催ということもあり、何としてでもセンバツ出場校を輩出したい。県内27連勝中で兵庫1位の明石商は1年生ながら夏の甲子園を経験したエースの中森俊介(1年)とリードオフマンの来田涼斗(1年)がチームを引っ張る。

 兵庫2位の神戸国際大附は総合力の高いチーム。リードオフマンの松浦隆己(2年)が出塁率の高い選手で、彼が攻撃の軸として機能すれば優位に試合を進められるだろう。

 兵庫3位の報徳学園はエースの林直人(2年)の出来がカギを握る。ロースコアの接戦に持ち込んで後半に勝機を見出したい。

 奈良1位の天理は準々決勝の智辯学園戦で1イニング9得点、決勝の橿原戦では1イニング10得点と集中打が光るチーム。主将で3番を打つ北野樹(2年)は決勝で5打数5安打の活躍を見せている。

 京都1位の福知山成美はエースの小橋翔大(2年)が京都大会で2試合連続完封を飾るなど、獅子奮迅の活躍を見せた。さらに決勝では佐喜将悟(2年)と橋本翔生(2年)が好投し、投手陣に厚みが増した。彼らをリードする原陽太(2年)の勝負強い打撃にも注目だ。

 2位校、3位校では大阪3位の大阪偕星がダークホースとなりそうだ。最速145㎞のストレートを武器とする坪井悠太(2年)は今大会屈指の好投手。打っても4番に座り、文字通りチームの大黒柱だ。初戦で強打の智辯和歌山と対戦するが、この試合で真価が問われることになるだろう。

 京都2位の近畿大会初出場の京都国際は昨年の乙訓のような攻守にバランスがとれた好チーム。投手は左腕の生駒拓也(2年)と右腕の酒井海央(2年)が軸となる。野手では攻守にレベルの高いプレーを見せる遊撃手の上野響平(2年)や、勝負強い打撃が光る4番の早真之介(1年)に注目だ。

 京都3位の龍谷大平安は夏の甲子園を経験した水谷祥平(2年)と北村涼(2年)がチームを引っ張る。しぶとく粘り強いチームで中盤まで接戦に持ち込むことができれば勝機が見えてくる。

[page_break今年の近畿も混戦必死!]

今年の近畿も混戦必死!

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近畿は熾烈を極めそうな構想

 和歌山2位の市立和歌山は投手層が厚いチーム。エースの本格派左腕・岩本真之介(1年)を筆頭に、夏の大会でエースナンバーを背負った柏山崇(2年)に技巧派左腕の奴田宗也(1年)とコマは揃っている。打線も和歌山大会決勝で智辯和歌山から6点を奪うなど力はある。攻守ともに手強い存在となりそうだ。

 滋賀2位の近江兄弟社は試合巧者ぶりが光るチーム。安定感のあるエース左腕の菊地凛(2年)を中心に守りからリズムを作ることができれば、勝機は見えてくる。

 和歌山3位の南部は後半に強く、逆転で和歌山大会を勝ち上がってきた。初戦でぶつかる履正社は強敵だが、双子バッテリーの鎌倉海斗(2年)、航太(2年)を中心に中盤まで粘ることができれば、面白くなりそうだ。

 奈良2位の橿原はエースで4番の西川侑成(2年)がチームの命運を握る。多彩な変化球で大阪桐蔭打線をどこまで抑えるかに注目だ。

 昨年の大阪桐蔭のような飛び抜けたチームは不在で混戦が予想される今年の近畿大会。激戦を勝ち抜き、晴れ舞台の切符を手にするのはどこになるだろうか。

(文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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