試合レポート

日大豊山vs桜美林

2017.10.14

足を使って相手にプレッシャー賭けた日大豊山が桜美林に快勝

日大豊山vs桜美林 | 高校野球ドットコム
名倉 侑田(日大豊山)

 1回戦では、日大豊山は成立学園に、桜美林はこの夏の代表校二松学舎に延長の末に、ともに1点差で勝ち上がってきた両校の対決。いずれも、終盤に苦しいところを継投でかわしてきた。ともにチームとしても洗練されており、質の高い競り合いが期待された。

 日大豊山は名倉君、桜美林は背番号3をつけた久富君と、どちらも1回戦と同じ先発投手。序盤は、それぞれが走者は出しながらも、要所は抑えていくという形で進んでいった。日大豊山福島 直也監督は、「(桜美林は)捕手がセンス抜群でいいと感じていたので、投手というよりも、捕手を崩していくのをどうしようかと考えて、そのためには、雨で多少下がぬかるんではいるけれども、足を使ってプレッシャーをかけていこう」という戦い方を決めていた。

 その日大豊山は4回、先頭の2番青木君が四球で出ると、すかさずエンドランをかけて、西村君は二ゴロだったが併殺にはならず、一死二塁とすると、4番平林君が中前へはじき返すと、二走その青木君がホームインして先制した。

 さらに5回の日大豊山は、一死で名倉君が三塁打を放つが、スクイズかと飛び出して刺されるといいうサインミスもあって、チャンスを潰しかける。しかし、その後に9番の佐藤 優太君は左前打でややちぐはぐな攻撃になっているかな、と思われた。しかし、続く1番の村高君が右前打して一三塁。ここで打者青木君の時に、一塁走者の村高君が飛び出すと、桜美林の阿部捕手は肩にも自信があるので迷わず送球して一二塁間に挟む。何度か行き来しているうちに、三塁走者の佐藤 優太君がスタートすると、本塁へ送球したが、その球が高く外れてしまい、三塁走者が生還。日大豊山の「足を使ってプレッシャーをかけていく」という戦い方が、思わぬ形で相手失策を呼び込んで追加点が入った。



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桜美林vs日大豊山

 そして、7回にも日大豊山は6番の小杉君が中前打で出ると、すかさず二塁盗塁を仕掛けると、今度は送球が外野まで抜けてしまい、労せずして三塁まで進んだ。ここで、桜美林工藤 真彦監督は久富君を一塁に入れるなどして陣容をいじり、マウンドには小池君が礼亜君が立った。これは、先の二松学舎戦でも行って照継投パターンでもあり、工藤監督としては迷いはなかったところであろう。しかし、日大豊山の鈴木一央君は、スムーズに振って右犠飛を放ち3点目を奪い、日大豊山ペースとなる。

 それでも、桜美林もその裏反撃した。二死走者なしから、6番中嶋君が左越二塁打すると、続く内藤龍之介君が一塁手を襲っていく安打で、中嶋君を帰し、なおも失策と四球で二死満塁として1番の阿部君だ。日大豊山福島監督も最も警戒していた選手でもあるが、ここは名倉君が投げ勝って遊飛に仕留める。

 8回から日大豊山は、2番手として高原君がリリーフに立つが、これも日大豊山は1回戦でも行っていた継投である。8回も9回も先頭打者は出してしまったものの、その後は慌てることなく、しっかりと打たせていき、すべて外野飛球でアウトを取っていった。

 福島監督は、「まあ、思惑通りに戦えたかなとは思います。グラウンドが湿っているというのは、相手も同じ条件ですし、動いていったことが功を奏した」と、喜んでいた。そして、「今日よくなかったところは、また1週間ありますから…。秋は、試合ごとに成長していかれるし、1週間でまた、チームも伸びていきます」と、試合を戦いながら、チームそのものの成長にも期待していた。

(文=手束 仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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