試合レポート

都立小山台vs淑徳

2015.07.22

小山台、本塁打3本で淑徳に圧勝

 近年徐々に力をつけてきている淑徳は、4回戦で東京日本ウェルネス相手に、主将でエースの林 俊輔が被安打4、四死球0、奪三振11という完璧な投球で勝ち上がった。しかし、中一日で迎えた5回戦の都立小山台戦は、勝手が違った。

 1回表、都立小山台の1番長南 太一が四球。4番志村 優十茂にも死球と、淑徳の先発・林は調子が出ない。5番吉田 龍平は左前安打で長南が生還し、まず1点。6番木田 輝は左翼手の頭を越える二塁打を放ち、志村も生還。打席には6番柳澤 利哉が立つ。柳澤が林の初球を叩くと、打球はライトフェンスを越える3ラン本塁打に。試合の大勢は、初回で決した。

 2回表にも都立小山台は、2番清水 慶一郎の2ラン本塁打が飛び出す。3回表には、前の打席で本塁打を放った柳澤と清水が、今度は二塁打を放つなどして、3点を追加。4回表にも、4番志村の本塁打などで2点を挙げた。

 都立小山台は、投げては身長185センチという長身から投げ下ろす球に威力がある先発の矢崎 裕希が、3回を被安打2の無失点。4回から登板した2番手の山口 晃平が2回を被安打2の無失点に抑えた。

 淑徳は3回途中に主将でエースの林を右翼手にし、2年生の吉田 太一が登板した。けれども、この回でのコールド負けがほぼ確実な5回表の二死から、林を再びマウンドに戻した。林は身長169センチという投手としては小柄ながら、体を目いっぱい使ったフォームで、チームを引っ張ってきた。そうした思いを込めて林は、高校野球生活最後の打者を左飛に打ち取った。

 結局12対0で都立小山台が5回コールドで圧勝した。都立小山台は、秋季大会の頃はまだ、センバツ出場の遺産で野球をやっているという感じもしたが、夏には新たな選手も台頭し、戦える戦力が整ってきた。次は帝京との大一番である。

 淑徳は、年々力を付けていることは確かだが、今年はエース・林の負担が大きかった。なかなか難しいだろうが、選手層をいかに厚くするかが課題である。それでも4番打者には1年生の河野 秀太が定着するなど、楽しみな1、2年生が多いだけに、今後の成長を期待したい。

(文=大島裕史


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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