試合レポート

鹿屋中央vs鹿児島実

2021.10.01

鹿屋中央vs鹿児島実 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

一皮むけるきっかけに・鹿屋中央

鹿屋中央vs鹿児島実 | 高校野球ドットコム
鹿屋中央3点目

 2試合目の樟南VSれいめい戦に続き、2回戦にはもったいない好カード続いた。春の決勝戦の再戦は第2試合と同様、両者レベルの高い白熱した好勝負を繰り広げた。

 先手を取ったのは鹿児島実。4番・永井琳(2年)のセンター前タイムリーで先制した。

 鹿屋中央は4回表、一死一二塁のチャンスに5番・川井田利気(2年)のレフト前タイムリーで同点に追いつく。

 その後は鹿屋中央村山源(1年)、鹿児島実井上亮(2年)、両先発右腕が好投し、両者我慢の展開が続く。

 8回裏、鹿児島実は先頭の3番・駒壽太陽主将(2年)がレフトスタンドに特大ソロを放って勝ち越した。なおも無死一二塁と畳みかけるチャンスを作る。

 鹿屋中央は村山から背番号10の右腕・永田清瑛(2年)にスイッチ。送りバントを三塁封殺、連続三振でピンチを切り抜け、9回表の攻撃に託した。

 ヒット、連続四球で満塁とし、9番・礒脇海斗(2年)のレフトオーバーの2点タイムリー二塁打で逆転。2番・村山は走者一掃のセンターオーバー三塁打、4番・板敷風哉(1年)がレフト前タイムリー、打者11人の猛攻で6得点のビッグイニングを作った。

 その裏、永田が三者凡退で締めくくり、春決勝で敗れた雪辱を果たした。

 9回の鮮やかな集中打でライバル鹿児島実に快勝。鹿屋中央の山本信也監督は「実戦ができなくてゲーム感覚が身につかない中で、投手を中心によく我慢して、試合中に修正できたのが良かった」と選手たちの健闘を称えた。

 先制点を許したが、1年生右腕・村山が粘り強く投げ抜き、守備もエラーで崩れかけた場面もあったが、3併殺をとるなど後を締めた。打線は4回に同点に追いついて以降は押し気味に試合を進めるも、走塁ミスが何度かあってなかなか勝ち越せない。8回裏にはソロを浴びて先に勝ち越し点を許した。

 残るチャンスは9回のみ。追い詰められた展開だったが「鹿児島実樟南と試合をすると、いつも終盤に点を取られて負けてしまう。今度こそこっちが点を取って絶対に勝つ」(9番・礒脇)意気込みで結束していた。

 一死満塁のチャンスで打席に立った礒脇は「勝つ気持ちだけで無心だった」と言う。ボール球を見極め、きわどいコースはファールしてフルカウントまで粘り、「センターから逆方向」へ山本監督の注文通りの長打で逆転劇の口火を切った。

 3回戦の相手は樟南。夏準々決勝の再戦だ。スタメン出場していた礒脇は「あの時も終盤点を取られて負けた。今度は絶対勝つ」と雪辱に燃える。ノーシード、フリー抽選の妙とはいえ、大会前半戦で強豪との対戦が続き「地獄のパート」と山本監督は苦笑するが「一皮むけるチャンス」とむしろ張り切っているように見えた。



鹿屋中央vs鹿児島実 | 高校野球ドットコム
鹿屋中央タッチアウト

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鹿実1点目

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鹿実円陣

(取材=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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