試合レポート

鹿屋中央vs古仁屋

2018.03.30

「たら」「れば」に秘める可能性・古仁屋

鹿屋中央vs古仁屋 | 高校野球ドットコム
鹿屋中央・得点シーン

 

 立ち上がり、古仁屋は4番・恵栄光(3年)の犠牲フライで先制点を挙げた。
 その裏、鹿屋中央は1番・篠田大聖(3年)がセンターオーバーのランニングホームランで同点に追いつく。
 3回、鹿屋中央は無死満塁と攻め立て、4番・中俣聖也(3年)のレフト前タイムリーで2点を勝ち越し。レフトが後逸する間に一走も生還した。5番・松田修吏(3年)にもライト前タイムリーが出て、4点差とした。4、5回と集中打を浴びせて、点差を広げた。

 9人チーム古仁屋は「勝つつもり」(鳥丸大輔監督)でシード鹿屋中央に挑んだ。結果は1対9で7回コールド負け。彼我の実績、実力差を考えれば「善戦」といえるが、ナインは誰一人満足していなかった。「『あそこで捕ってくれたら…』『打っていれば…』とつい『たら』『れば』を考えてしまう」と指揮官は正直な心境を語った。

 外野をあらかじめ後ろに下げたのは、強打の鹿屋中央に対して「ワンヒット、前に落ちるポテンヒットはOK」で長打を打たせないためだった。幸先良く先制したその裏、先頭の篠田の打球はセンター・徳田竜希(3年)が追いついたかに思われたが、届かずランニングホームランになった。3、5回の失点には四球、エラーが絡んでいる。打撃では4回に下位打線が粘って満塁の好機を作ったが、あと一本が出なかった。

 頭の上を越されたり、間を抜かれたのは仕方がなくても「四球やエラーは防げるミス」だと永井辰平主将(3年)は自覚している。ミスを減らし「あと一本が出る」力をどう身に着けるか、夏への明確な課題が見つかった。

 強豪私学と7回まで渡り合って自信になった部分もあった。捕手・森田淳之介(2年)は長打を警戒し、なかなか思い切ったリードができなかったが、6回は積極的に内角を突いて三者凡退に打ち取ることができた。「このクラスの打者でも抑えることができたのは自信になった」という。
この試合の失点を減らし、得点を増やすためにどうすればよかったか。それを考えることが夏への道標になる。勝負に「たら」「れば」はないが「それを考えてしまうところに選手たちの可能性を感じる」と鳥丸監督の表情は明るかった。

(文=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?