立教新座vs聖望学園
立教新座 2試合連続のコールド勝ちと快進撃
6年ぶりの優勝を目指した聖望学園が3回戦で姿を消した。前日は浦和学院が3回戦で敗退するなどＡシード校が何れも敗退、波乱の大会に。
聖望学園の先発の中村（碧）。2回裏に4番・阿部に1・2塁間を破られ、5番好調の斎藤にセンター越えの2塁打と連打を浴び1点献上。更に2死から8番。主将の吉村にライトへ運ばれ2点を失う。1回は三者凡退に抑え好スタートに見えたが、立教新座の主軸に高めに浮いたストレートを快打された。
これで勢い付いた立教新座打線。3回も斎藤の2打席連続の2塁打で、早くも中村（碧）をノックアウト。聖望学園は二番手に松本をマウンドへ送る。その松本は6番にストレートの四球を与え無死1・2塁。7番・五十嵐の投手前バントを松本が3塁へ、これがフィルダースチョイスになり満塁に。ここで2回にタイムリーを打っている、8番・吉村が3塁線を抜き、2者が還り立教新座が2点追加。4回で4対0とリードを広げた。
その後も聖望学園の繰り出すリリーフ陣を捉える立教新座打線。5回も斎藤のタイムリーで1点。8回には、3安打と好調の斎藤がライトへ会心の本塁打。更に3本の長短打で3点追加。14安打で8点と8回コールドで快勝した。
聖望学園は4回まで立教新座先発の坂井の速球と低目への変化球に的を絞れず無安打。2回5番・中村（郁）の四球から、6番・津田にヒットエンドランを試みたが、津田の打球は2塁手が背走し好捕。ダブルプレーに仕留めるなど立教新座は守備でもみせた。
また続く5回には無死1・2塁のチャンス。8番・松本の送りバントは坂井の正面に転がり3塁に封殺され、1死。1番の菊池に期待し9番・松並は犠打で送り2死ながら2・3塁と大きなチャンスを迎える。外角狙いの菊池に対し坂井は内角攻めで、最後は内角への速球で遊撃ゴロ。この試合唯一のピンチも好投・坂井の球威が勝った。
先行、逃げ切りがパターンの聖望学園。追う展開に5回以降ヒットの走者は出すが、焦りから走塁ミスも出るなど後続が押さえられ無得点。4点を追う聖望学園8回、1死から1番・菊池のライト前から3番・大野がレフト前に続き、4番・田島のセンターへのタイムリーで1点を返し完封は逃れた。坂井の変化球が制球良く低めに決まりカウントを追い込まれ、狙い球の速球の球威に押し込まれフライを打ち揚げるなど、本来の強い打球で繋ぐ野球が封じられた。
聖望学園の誤算は、救援の松本。公式戦無失点を続けていたが、いきなりストレートの四球に自らのバント処理ミスで動揺した満塁にタイムリーを浴び4点目を与えたのが痛かった。いつもの制球の良さも球の切れも無く、好調の立教新座打線に掴まった。
投打に好調の立教新座。優勝候補が早々に敗退する中、有力な「台風の目」となった。
（文＝滝島利夫）
