試合レポート

城西大川越vs川越初雁

2014.07.10

2年連続大会第1号放った城西大川越が、その勢いで快勝

 大型台風の接近が天気予報で報じられているが、青空ものぞく天気だった。しかし、怪しい風が吹いており、外野後方の木々も大きく揺れていた。そんな中での川越対決となった。

 城西大川越は阿部尚武校長先生の粋な配慮で、「今日の授業は4時間遅れで開始するから、[stadium]初雁球場[/stadium]へ行きたい人は野球部の応援に行きましょう」ということになった。そんなこともあって、中学部も合わせて600人もの生徒が応援に詰め掛けて、一塁側のスタンドはぎっしりと埋まった。

 そんな応援打線の大声援にも押されて、城西大川越は序盤から猛攻を見せつけて主導権を奪った。

 初回に死球の走者を進められ、内野ゴロの間に1点を失った城西大川越だったが、その裏1死後に同じように死球を得ると鈴木貴君、小島君の連続安打で満塁とし、5番渕上君が左中間二塁打を放ってたちまち逆転した。ここで、川越初雁の岡本敏明監督は早くも先発の小澤君を諦めて、背番号5ながら投手としての期待も高い右サイドの横田君を投入した。
その横田君に対しても、城西大川越打線は明瀬(みょうせ)君の犠飛で追加点を挙げなおも2死三塁。

 ここで、7番小川君が左翼スタンドへ飛び込む2ランを放った。昨日から始まった埼玉大会だが、これが大会第1号となった。実は、城西大川越は昨年の大会でも、大会に2日目の[stadium]川越初雁球場[/stadium]の第1試合という同じシチュエーションで大会第1号を放っている。つまり、2年連続で大会第1号を記録した学校ということになった。この大会第1号2ランで、試合は城西大川越ペースとなった。
これには塩澤力監も長打力のある4番、5番ではなく、7番の小川が打ったことに驚きと嬉しさは隠せない様子だった。


 3回にバント失策などでピンチを招き2点を追い上げられた直後にも、城西大川越は小川君の中犠飛や8番玄元(げんもと)君の右前タイムリー打などまたしても下位打線で得点を追加した。さらに、5回にも渕上君の二塁打で1点を追加した。

このリードを、渕上君が必ずしもベストというワケではなかったものの、何とか守り切った。この球場は練習でも何度も借りて使用しているということだが、やはりスタンドに多くの人が入ってくると、いつもとはいくらか雰囲気も違うのだろう。そんな力みもあったのかもしれない。それでも、投げ切れたのはやはり、エースとしての自覚であろう。

  一方、川越初雁は、中盤以降はそんな渕上君を捉え始め、6回には代打の永田君が左前適時打を放ち、7回も3番小澤君の二塁打に樋上君、横島君が連打するなどで、1点ずつ追い上げていっていた。9回も1死一二塁、2死二三塁まで迫ったのだが、反撃もここまで。あと一本が出でずに涙を呑んだ。

 こうして川越対決を制した城西大川越。2回戦は13日に[stadium]川越初雁球場[/stadium]で川越総合と対戦する。再びの川越対決に臨む城西大川越。次戦の行方にも注目したい。

(文=手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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